表参道・表参道コーヒー カプチーノとコーヒー菓子
神保町のさぼうるを出て、久しぶりに古書街を歩いていると、
適度に暖かい日差しが、アイスコーヒーでほど良く涼んだ身体を、
少しずつ温めだす。
三省堂のあたりから一歩一歩、10年ぐらい前のカメラ雑誌や、
自分にはちょっと縁がなさそうな厚めの古書を眺めつつ、
キムラヤの交差点に戻ったところで、
地下鉄に乗って表参道へ。
階段を一段ずつ登り、
駅の出口からまい泉方面に向かって歩くと、
ちょっと奥まった路地裏に、
表参道コーヒーの建物を見つけた。
庇の先へと足を踏み入れると、
庭先で日向ぼっこをする一人の男性。
「あ、いらっしゃいませ。」
ちょっとはにかんだような笑顔の男性は、
このお店のご主人だった。
表参道コーヒーは、
この木造民家が取り壊されるまでの期間限定で、
部屋の中にコーヒースタンドが組まれているお店。
靴を履いたまま、家の中にお邪魔してメニューを眺める。
幸いにして、後ろに他のお客さんの姿がなかったので、
お勧めを伺いながら、カプチーノと一口サイズのコーヒー菓子を注文した。
きめ細かいスチームミルクの泡が、
ふわっと口の中に広がるカプチーノ。
カフェアート越しのコーヒーの香りを、
庭先のベンチに座りながら楽しむ。
コーヒー菓子は、じっくり焼かれたベイクドカスタード。
カリッと香ばしい表面から、
じんわりとした食感の柔らかい生地へと移り、
やさしい甘さが口に広がる。
強い甘さではなく、コーヒーとのマッチングが前提の絶妙な加減。
このお菓子はテイクアウトもできるものの、
この空間で淹れられるコーヒーとの組み合わせで体感したい。
キューブ型はお店のモチーフになっていて、色々なところに隠れている。
コーヒースタンドのデザインだったりこの看板だったり。
不思議な空間でコーヒーとカスタードと共に過ごす時間は、至福の一時。
しばらくは、表参道駅からの散歩が更に楽しくなりそうだ。