栃木県宇都宮市・宇都宮駅でグッと手が伸びた5つのおみやげとその理由

23/10/2016栃木,関東,ひるたび・さんぽ

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サイクルロードレース好きなもので、この2年は必ず宇都宮でジャパンカップというレースを見るのが習慣になっています。

海外のプロチームと日本のチームがガチンコで競い合う数少ない機会ということで、ここ数年は来場者数も増加の一途。昨日開催された「クリテリウム」レースの観客数は、過去最高の5万人。宇都宮駅から西に伸びる中心街を封鎖した周回コースを駆け抜ける選手たちに、全国から集まったファンが熱い声援を贈ります。

で、その帰り道。電車の時間までJR宇都宮駅でお土産を探さんと売場に行けば、5万には届かずも数多くの商品が棚で手招きしています。
駅弁や土産菓子といった商品開発を生業とする自分にとって、そんな棚から受ける刺激は参考になることばかりですが、そんな自分の本能をくすぐった5つのおみやげを選んでみました。

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まずは「とちびより」で見つけた駅弁。箱や包材にいわゆる「駅弁マーク」がついたものではなく、お土産屋さんの保冷ケースに並んでいた2種類の寿司弁当。コンパクトな箱に必要最低限で一番重要な「ごはん」という機能がぎっしり詰まったタイプ。「いや、そんなおかずいらんのでもっと安くしてください」系な駅弁もある中で、潔くシンプルな姿に目を奪われました。

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一つ目が「ゆばむすび」。日光にあるメーカーさんが調製しているもので、その名のとおり湯葉につつまれた餅米おこわがゴロンと二つ。張りのある湯葉とモチモチのおこわの食感が楽しく、湯葉の繊細な風味を損なわないおこわの味付けもいい感じです。

また、脇を固める大根やキュウリの醤油漬も塩加減は抑えめ。全体に優しいトーンにまとまっています。

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お次は宮のおふくろいなり。厚みしっかりの油揚げに包まれているのは、シンプルな酢飯とゆかり色に染まった酢飯の二種類。半分にカットされているので食べやすく、箸でつまんだ時に重さでツルッと滑ってしまうハプニングも防げます。

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栃木といえばやっぱりいちご。ということで、お土産品フロアの一角にも10種類ぐらいのいちごジャムが並ぶ「いちごの里」を発見。基本のジャムがあり、「スパークリングワイン×いちご」や「いちごミルク」といったバリエーションものまで並びます。いっそのこと全種類買って毎日違うものを食べるという手もあるのですが、その中から選んだのがスカイベリーを使ったこの一品。

他の商品からは、いちごにこだわる生産者の提案として、色々な材料との組み合わせでいちごの違った顔を楽しんでほしいという意図を感じるのですが、やっぱり最初はストレートが恋しくなるもの。その中でも、プレミアム系があれば、「基本系よりもおいしいはず」というスイッチも入るものです。

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そして宇都宮餃子会「来らっせ」のコーナーで選んだのが、「宇都宮野菜餃子カレー」。宇都宮名物として「ごはんにかける餃子」がすっかり定着した中で、このカレーも具材がカレーソースに入ったタイプかなぁ…と思ったのですが、箱を見ると皮に包まれた餃子が並ぶ写真。これ、カレーソースとトッピングとなる餃子が別の袋に入っているタイプだったのです。

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なので、箱の厚みも普通のレトルトカレーの倍ぐらい。ご当地カレーを書棚のように陳列する店に並んだとしても、視認性が高く存在感抜群のはず。

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もうひとつ嬉しいのが、調理が全部レンジアップで完結すること。鍋にお湯を沸かして二つの袋を入れるとなれば手間がかかるイメージですが、これはソースをチンして餃子をチン。ついでにご飯もチンすればあっという間に食べごたえのあるご当地カレーのできあがり。実はまだ食べてないのですが、なんか期待しちゃいますよね?色々な意味で。レトルトカレーのドキドキって、こういう形に進化したんだなぁと。

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そこで見つけたベタ系のお土産がこの餃子形ポーチ。スマホのケーブル類やプラグといったゴチャつくものが餃子の餡に。生地が厚くしっかりした作りなので、へこたれることもなさそうです。

こうして整理してみると自分が買った商品は、それぞれがちゃんと「提案」していることに気が付きます。「少量で満足できる地域性のある駅弁」「栃木自慢のいちごのおいしさを伝えるジャム」「具材とソースがセパレートになったレトルトカレー」「テーマはベタだけどありそうでなかったもの」といった具合に。

老舗の商品が「安心感」を提案しているのに対して、安心感を乗り越える提案をすることで新陳代謝される棚。来年は、どんなお土産に会えるだろうか?そんなことを考えながら買っているうちに、お財布の中身は宇都宮餃子の餡とは反対に、物足りないほど薄くなっていったのでした。

著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu