山梨県甲府市・奥藤丸の内第八分店 鳥もつ丼(680円)
2010B−1グランプリin厚木。
初出場にして見事にグランプリを勝ち取った
「甲府鳥もつ煮」は、一夜にしてシンデレラご当地グルメとして、
日本中にその名を轟かせた。
B−1の本旨は、順位を競うものではなく、
参加したご当地グルメの知名度が向上し、
触れて「美味しい!」と感じた人がご当地に足を運び、
現場の味や食文化、それを取り巻く地方文化に触れてもらう
という感じのものだが、
グランプリを取ると、やっぱり変わるらしい。
ところで、自分が住む相模原市から甲府市までは、
意外に近く約110キロ。
実はこれ、八戸〜青森を車で走る距離とほとんど同じ。
ということで、B−1を制覇した翌日の甲府の姿を見るべく、
車を走らせてみた。
到着した時間が少し、ピーク時を外したこともあって、
町中は思ったよりは静かな雰囲気だったが、
「鳥もつ煮」の幟がはためくお店の駐車場には、
空きは見られなかった。
で、自分が訪問したのは、奥藤丸の内第八分店。
発祥のお店である「奥藤本店」の暖簾分け店になる。
昔ながらのおそば屋さんといった趣のある店内で、
テーブルの上に置かれたメニューを見る。
鳥もつ煮600円。
この文字に会うために、車を走らせてきた首都圏の人が、
きっと広い甲府にいるんだろうなぁと実感。
更に、壁に貼られたメニューを見渡すと、鳥もつ煮が添えられる
セットメニューが多いことに驚く。
天丼、かけそば、鳥もつ煮、漬物のセットが1,000円なのだから、
このまま東京のど真ん中に店を持ってきたら、
どうなってしまうのだろうか。
で、注文したのは鳥もつ丼。鳥もつ煮600円に、
80円を足すと、みそ汁とごはんがついてくるという、
価格設定的に太っ腹な一品。
蓋で閉じ込められた香りを、一気に解き放つと、
砂糖と醤油のタレが磨き上げた、
ピカピカの照りが歓迎してくれる。
早速、一口レバーをほおばると、
甘辛ダレに包み込まれた
レバーのコクがふわっと軽く広がる。
癖の強いレバーだと、においが広がって、
そこから先はあまり・・・という風になるが、
丁寧な処理によってそんなことは皆無。
ここに、甘辛タレの加減が効いてくる。
タレの濃さで食べさせるのではなく、
しっかりとモツの美味しさを食べる。そんな感じ。
山椒の軽さも効果的。
ごはんの量と比べてモツの量がと思ったものの、
一つ一つの味付けが絶妙な加減になっているので、
バランスよく食べ進めることができる。
で、合間のみそ汁、これも旨い。
味噌の味が前に出つつも、出汁とのバランスが
しっかりと。
そんなこんなで食べ進めて、
キンカンで締める。噛むと薄い皮がはじけるような食感。
食べ心地がこんなにいいとは思ってなく、
食べた後の充実感がこんなに高いとも思ってなかったのが、
正直なところ。
でも、これは車を飛ばしてでも食べにこなければと思った。
ちなみに、このお店にはカツ丼が二種類。
一つは「カツ丼」、もう一つが「卵とじカツ丼」
これも、食べ比べ必須か。