新橋・ボワヴェール 食後のスイッチ
昼休み、虎ノ門界隈で何を食べようかを考えていると、
やっぱりここに足が向いてしまいます。
8種類のランチメニューを眺めながら、
食べたいものを心に問えば、
迷うことなく答えが出ます。
ある日の答えは、牛バラとごぼうのペコリーノチーズスパゲティ。
青森の清らかな風土が育んだ、真っすぐに伸びた逞しきごぼうと牛肉。
そこに佐井生まれの昆布の旨味が溶け出したスープと、
たっぷりのペコリーノチーズを絡めれば、
普段のチーズと一味違う塩味と独特のコクがリードする旨味が、
舌を喜ばせます。
ある日の答えは、本日の八戸鮮魚と冷たいパスタ。
厚切りに切られたたっぷりの平目が、
北緯40度の太平洋へと誘ってくれます。
白身魚の艶を彩るのは、
白ゴマのソースとトマトにたっぷりの山菜で出来たソース。
シャクっとした弾力の山菜に、押しては返す平目の弾力。
昼の1時間で青森への小旅行が楽しめるなんて、
本当に贅沢なことです。
思えば、自分の人生が変わったのは、
このお店で津軽の伝承料理に触れてから。
何にも持ってなかった自分の中に、小さな未来が見つかって、
次のステージに連れていってくれたお店。
そして、今日も同じようなことが。
カウンター席で近い将来の自分がやるべき道が見えました。
決断とは見えない未来を探すために、
懐中電灯のスイッチを入れるようなものだと思っていますが、
今回もスイッチが入った場所はこのお店。
そう考えれば、きっとここは自分にとってのパワースポットなんでしょう。