永田町・霞ガーデン 手作りチャーシュー麺(850円)
国会議事堂の目の前にある敷地は国会前庭と呼ばれ、
無機質な官庁街の雑踏とは真逆のように、
自然豊富なエリアが広がっています。
で、その敷地内にあるのが憲政記念館。
昭和45年に議会開設80年を迎えたことを記念し、
議会制民主主義について、一般の方々の認識を深めることを目的として、
昭和47年に開館した建物なんだそうです。
そんな建物の一角に、
霞ガーデンという食堂があります。
外観は確かに公共施設の食堂なのですが、
ベテランの給仕さんにテーブルへと案内されると、
ガラスの先に広がる桜の花や、
SEIKOの大きな壁掛け時計が、
食事時の風景に風格を彩っています。
そんな食堂で注文したのは、手作りチャーシュー麺。
丼を覆うチャーシューの曲線美が物語っているのは、
仕事に対する丁寧な姿勢。
そんなチャーシューを箸で引き上げると、
簡単にほろりと崩れてしまい、
口の中に運ぶと脂がふわりと融けてしまいました。
スープは鶏ベースの昔系、
飽きの来ないあっさりとした飲み口ゆえ、
気がつくと麺に手が伸びずスープばかりが減っていました。
そして、麺もおよそ公共食堂とはかけ離れたもの。
公共食堂の辞書には、ハリやコシという言葉はないのですが、
ここの麺にはしっかりとそれが記されています。
また、追加料金なしで付いてくる
ライスとザーサイは必須です。
ここの料理を手がけているのは、
かつて総理官邸で料理を担われていた方。
つまり、数多くの総理大臣の活力を生み出していた味。
今の政治は、時に丁寧な仕事が欠けているように伺えますが、
このチャーシュー麺のような、
実直で丁寧な仕事が少しでも増えればと、
願わずにはいられません。