クロスバイクで護国寺から雑司が谷のあたりを走っていると、
視界に近づいて来たのが、赤い外壁と風にたなびくタンメンの文字。
ちょうどお昼どきだったこともあって、自転車を停めて店内へ。
食券機のボタンには、タンメンやスタミナ系ラーメンに餃子の文字。
そして多彩なトッピングのボタン。
コーンや野菜大盛、あるいはベーコンにバターに牛すじ。
もちろん、色々なメニューに一番の組み合わせがあるはずですが、
それを試す前に最初はやっぱりベーシックなタンメンから。
醤油、味噌、塩の3種類から選べる味は塩チョイスです。
親父さんの両手でカウンターに置かれた、大きな器と大きなレンゲ。
スープを一口飲もうとしても、二口三口分が余裕で入ります。
濃厚系のタンメンとは逆の、あっさり目の旨味は、
和な出汁と野菜の甘味が骨組みになっています。
なので、表面を覆うというよりはじわりじわりと浸透する感じ。
そこに、麺を覆うたっぷりの野菜。
赤いパプリカを筆頭に、キャベツにもやしにニンジンにキクラゲに。
お箸でつまめば、シャキシャキの食感はもちろんなのですが、
色々な野菜や豚肉の味一つ一つが、ドレミファソラシドの役割になっていて、
一口ごとに違ったハーモニーが奏でられます。
そして、麺は自家製麺。
麺の食感が炒め野菜のそれに負けることなく、
逞しく独特の風味をミックス。
一通り食べてからは大きなレンゲの使いどころ。
レンゲにスープと野菜を入れて、あとは刻みニンニクや刻み生姜をお好みで。
味のカスタマイズをすれば、器の中にもう一つ器が生まれます。
両隣のお客さんが食べていたのが、真っ赤なラーメン。
タンメンの味噌や醤油味や、色々なトッピングとの相性も気になりつつ、
寒空の自転車にはこれが気になって仕方ありません。