町田・NATURAL CAFE DAIDAI やっと、好きと言えるカフェが見つかった。
やっと見つけた、この一軒。
今、諸々あって自分が住んでいる相模大野は、
小田急の江ノ島線と小田原線が分岐する駅。
いわゆる「便利な駅」というやつになる。
ただ、この駅も再開発が進んで、
自分が好きだった駅前の大野銀座商店街は形を変えてしまい、
西友もなくなりミスドがなくなり、丸十パンは(すぐ近くにだが)移転し、
ラーメン二郎も妙に小奇麗な店舗になってしまった。
で、それを別にしても一番物足りないのが、
美味しいコーヒーを出すお店がないこと。
正確に言えば、
ふらっとお店に入ってイスに座ると、
普通にカウンター越しに、美味しい一杯が出てくるようなお店。
常連以外の客に負担を押し付けるようなルールを持つ店や、
カフェの本質を、装飾品の雰囲気だけで紛らわす店に、
2回入りたいとは思わない。
で、そんな中で偶然知ったのがこのお店の存在。
ただ、場所は隣の東京都町田市。
しかも、駅近くの中心部ではなく
郊外のボタン園やリス園のある場所。
でも、立地の善し悪しはどうでもいい、
ただただ、探していたのだ。
住宅地の一軒家、そこの1階をカフェにしたお店。
暖簾をくぐると、そこはリノベーションされた内装。
木目の質感が、お店の温度を生み出すカウンター、
オーナー自らが塗ったという壁、
とにかく、温かい。
そして、自家製パン。
酵母は、町田生まれのホシノ酵母だったり、
ブドウ酵母だったりと、作るものに応じて使い分けをしている。
この日は、お昼時に行ったので、
コーヒーだけではなくランチを食べることに。
最初の一品は、タマネギのスープ。
タマネギの甘さとトロっとなる寸前の、
しゃきっとした食感が残る感覚。
足さなくていいものを、
無駄に足してない味なので、
身体にすっと入ってくる。
そして、バーニャカウダ。
アンチョビと味噌のペースト、
あるいは豆腐のペーストで食べる。
色鮮やかな野菜が並ぶ一皿は、
濃さを楽しむといった趣のもの。
頼りがい、食べごたえのある食感が、
なんとも心地いい。
そんな野菜たちの味を殺さない、
ドレッシングの絶妙な加減で、
笊の上から一種類、また一種類。
野菜の姿が消えていく。
驚いたのが、基本的に川崎市内で育った野菜を使っているということ。
考えてみると、自分の実家でも少し野菜を作っていて、
朝一番でもぎたてを食べときには、
やはりその味の濃さに驚くばかりだった。
そして、おにぎりと
じゃがいものフライ、そして卵焼き。
とても優しい味、薄化粧な味。
これなら、毎日だって食べたくなる。
タマネギとスモークチキンのサラダも、
しゃきしゃきのタマネギと、
チキンのほわっとした香りの融合。
そして、食後にコーヒー。
挽きたての一杯で、
盛り上がった気持ちを落ち着かせてくれつつ、
確かなものにしてくれる。
豆の味と素材の味、
そして作り手の気持ち。
そのすべてが暖かい。
だから、好きになってしまったんだと思う。