再開発が進む虎ノ門界隈。
初めましてのお店や、お元気ですかのお店が並ぶ中、
昔入った牛タン屋さんに向かおうと思ったところに、
昔は目もくれなかったような佇まいの中華屋さん。
こういうお店にはウルトラCなメニューがあったりするものです。
店に入れば、そこはサラリーマン天国。
昼休みの解放感と共に、
チャーハンや麺料理を楽しげに頬張っています。
メニューに目を通せば、モヤシ、ニラ、五目、天津、エビ、鶏、マーボーの文字。
昔ながらの中華ワードがたっぷり詰まった役満級ラインナップです。
高菜と肉のうま煮そばあたりにしようかと思いつつ、
裏面に目を送ると・・・
何かの間違いのように、
でも堂々と古株顔して居座るザーサイ丼の文字。
いい、すごくいい、きっと他の店で食べられない。
もしかすると、海鮮丼のように薄切りのザーサイが、
ごはんの上に敷き詰められているのかも。
無駄に期待は止まりません。
もちろん、注文しなけりゃ男じゃありません。
その正体は、あんかけ中華丼に細切りザーサイがたっぷり入った一品。
海鮮丼のように花びら系ではないですが、
中華スタイルのベタを行く嬉しいルックス。
さっそく一口頬張れば、
ザーサイのコリッとした食感と、溢れる塩味のパンチ。
醤油だれと絡めばごはんスイッチが一発で入ります。
面白いのが、二口三口と食べ進めると、
「ザーサイまだ?」と心の中で待ち望んでいる自分に会えること。
一口ごとにちょっとした宝くじのような楽しみが隠れています。
もちろん、中華スープの味も期待通りの昭和スタイル。
10年前には絶対に分からなかったような良さです。
考えてみると、五目そばとか天津丼とかって、
ちゃんと食べた覚えがないもの。
きっと。こういう古き良きお店で食べるべきものなんでしょうね。