虎ノ門・大門飯店 ザーサイ丼(700円)

再開発が進む虎ノ門界隈。
初めましてのお店や、お元気ですかのお店が並ぶ中、
昔入った牛タン屋さんに向かおうと思ったところに、
昔は目もくれなかったような佇まいの中華屋さん。
こういうお店にはウルトラCなメニューがあったりするものです。
店に入れば、そこはサラリーマン天国。
昼休みの解放感と共に、
チャーハンや麺料理を楽しげに頬張っています。
メニューに目を通せば、モヤシ、ニラ、五目、天津、エビ、鶏、マーボーの文字。
昔ながらの中華ワードがたっぷり詰まった役満級ラインナップです。
高菜と肉のうま煮そばあたりにしようかと思いつつ、
裏面に目を送ると・・・
何かの間違いのように、
でも堂々と古株顔して居座るザーサイ丼の文字。
いい、すごくいい、きっと他の店で食べられない。
もしかすると、海鮮丼のように薄切りのザーサイが、
ごはんの上に敷き詰められているのかも。
無駄に期待は止まりません。
もちろん、注文しなけりゃ男じゃありません。
その正体は、あんかけ中華丼に細切りザーサイがたっぷり入った一品。
海鮮丼のように花びら系ではないですが、
中華スタイルのベタを行く嬉しいルックス。
さっそく一口頬張れば、
ザーサイのコリッとした食感と、溢れる塩味のパンチ。
醤油だれと絡めばごはんスイッチが一発で入ります。
面白いのが、二口三口と食べ進めると、
「ザーサイまだ?」と心の中で待ち望んでいる自分に会えること。
一口ごとにちょっとした宝くじのような楽しみが隠れています。
もちろん、中華スープの味も期待通りの昭和スタイル。
10年前には絶対に分からなかったような良さです。
考えてみると、五目そばとか天津丼とかって、
ちゃんと食べた覚えがないもの。
きっと。こういう古き良きお店で食べるべきものなんでしょうね。