弘前・CAFE JEEBA 1杯のドリンクと、2つのスイーツ。

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弘前城の参勤交代の際に使われた街道だった土手町は、一本の道でつながっているものの、上土手、中土手、下土手の3エリアに区分されている。
で、ある日の午後に足を訪れたのは一番城に近い下土手にある一軒のカフェ。ここは、昔から街に残る香りをそのまま受け継ぐというよりは、土手町の昭和と平成が色々な意味で混沌とした街中に、くっきりとシャープな印象を与える外観のお店だ。
テーブルに置かれた小さなメニューに導かれ、壁沿いの席に座る。リゾート地のホテルのような内装が、カフェ空間という一つの箱に詰まった世界観をしっかりと、でも自然体で主張する。そんな空間で、1杯のドリンクと2種類のスイーツを注文した。

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「あずき・カフェ・コン・レーチェ」という、あずきをメインにしたドリンク。ホイップの層、コーヒーの層、そしてあずきの層がくっきりと分かれている。
さっそく混ぜて一口飲んでみると、ネーミングのような違和感の印象が先走る組み合わせではなく、ほんのりとやさしい甘さが、コーヒー本体の味を損なうことなくドリンクに深みを増している。
また、ホイップの軽快な口当たりも、不思議な取り合わせで美味しいという印象を更に高め、飲み心地の良さを生み出している。

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スイートアップルシナモン。香ばしく焼かれた生地には、たっぷりのリンゴが詰まっている。フォークを入れる度にフワっと香るシナモンが、リンゴの酸味と甘みを際立てる。
加えて、生地自体のグシュっとした弾力を楽しむのに、濃厚なアイスとシロップ、そしてクリームがあるのがうれしい。すべてを合わせてもしっかり一つ一つの要素は活きている。自分がカフェを訪れた時に、一番うれしくなるのは、そんなハーモニーに会えた時だ。

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りんごバターとさつまいものワッフル。このお店のキーアイテムであるワッフルは、シーズンごとに装いを変えて登場する。
表面がカリっと香ばしく焼かれ、雪が降ったかのような砂糖が清廉を彩るワッフルだけ食べても美味しいところに、さつまいもの自然な甘さとリンゴバターのキレのあるコクが組み合わさる。そんなうれしい贅沢は、洗練された魅せ方から生まれている。
これだけ美味しいドリンクとスイーツが置いてある店、しかも居心地がいいお店。これだけで自分にとっては十二分に弘前を訪れる理由になる。多分、街を訪れる理由は一つでよく、その一つをどれだけ愛せるかが重要だと思う。
グラスの底に残ったあずきを食べ終えたとき、不意にそんなことを思ったりした。

【この記事を書いた人】

合同会社ソトヅケ代表社員/Local-Fooddesign代表

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