
大雪の青森市に活気をもたらす鮮やかな看板と幟
2026年2月の青森市、モーグルのようにコブだらけの道路ではジムニーでさえ傾きながらゆっくり走り、バスは二桁分待ちが当たり前。アーケードのある新町まで来るとまっとうに歩けるだけで安堵感に包まれるものの、歩道との境目には背丈を上回る高さの雪の壁。街なかにそびえ立つ小さな小さな山脈が、いやおうにも心を冷たく染めていきます。
北国の冬はとにかく体力勝負。雪かきすれば身体は静かにダメージを受けて、ダンプで融雪溝や雪捨て場に運んでもキリがない。そんなときに恋しいのは力がみなぎるおいしいごはん。となれば、食べたくなるのはやっぱり焼肉です。

そこで思い出したのが、新町通りの南大門。冷たい風にたなびく「焼肉を昼から」の幟が、ランチタイムの体力補給を提案してくれます。

豊富なランチメニューを見るだけで、身体が温まるのが焼肉のいいところ。国産牛カルビランチに、石焼きビビンバ。贅沢な特選ランチでハイパーチャージするのもよし。焼き足りなかったら追加肉もありなのが、うれしいポイント。

ただ、店頭の黒板に書かれた日替わりランチが、ジューシーカルビとコリコリカルビの組み合わせ。2種類食べれるなら…!と、これを注文しました。
焼いて頬張る楽しみが満喫できる2種類のカルビ

お肉に始まりスープ、カクテキ、大根なます、チャプチェ、冷奴が登場。ズラリ並んだおかずの数々を見守るのは、丼いっぱいに盛られた大盛りご飯。同じ白い山なら、街なかの山脈もこんな感じに温かいやつだったらいいのに。

主役のお肉は、お昼だからってこじんまりすることなく、しっかり焼き甲斐のあるサイズ。食欲を掻き立てるタレ色に染まった2種類のカルビ。しっかりとお肉をお供にガッツリごはんを頬張りたい気分に応えてくれます。


あとは焼いて頬張るだけ。鉄板の上から油がスーッと流れるたびにタレが焦げる香りが生まれて、テーブルの上を覆い尽くします。香りだけでごはんが進むってこういうこと。でも、煙さは皆無。洋服に匂いがつくことを心配しなくていいのがランチ焼肉の条件とすれば、ここは最大級にいい感じ。
赤身を噛みしめれば肉汁がしっかりと溢れ出し、脂身を口に運べば甘みがじんわりとろけ出す。どちらも肉質がいいのはもちろんですが、醤油ベースのスパイシーでほんのり甘さも感じるタレが旨さを膨らませます。
副菜のチャプチェも絶妙な味付けで、こちらもごはんが止まらず、手作りのカクテキのみずみずしさや、さっぱり酢なますが口をリセット。スープで身体を更に温めながら食べ進めれば、大盛りご飯はあっと言う間に跡形なし。

食後にはドリンクもついてくるので、ゆっくりとお腹を落ち着かせながら余韻に浸ります。
ここのように「誰もに居心地のいい焼肉店」って、意外に少ないかも

テーブル席が満席で掘りごたつテーブルに案内されたのですが、靴が汚れないようにカバーで隠してくれるのはお店のやさしさ。雪をも溶かす暖かい接客の店員さんの雰囲気も、食事の時間を楽しく、大雪を忘れさせるほどホッとさせてくれます。
お店に入った時に感じたのが、ランチタイムだからといってお勤めの人ばかりかと思ったら、初老の御夫婦やお子様連れのお母さんとそのお友達グループ。若いお一人さまもいれば、中国からの観光客もご来店。老若男女、幅広い層のお客さんがいるということは、それだけ居心地がいいっていうこと。
青森市って結構焼肉のお店が多い印象ですが、気軽にパワーチャージする昼焼きするなら、ここが一つの理想郷かもしれません。
