青森市・ベジフルキッチンPEPINO ペピーノソムリエサラダ(300円)とペピーノピッツァ(600円)

05/12/2008

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青森駅の周りにはいくつかの商店街があり、中にはシャッターで閉ざされてしまっているお店もある。で、このお店もシャッターに挟まれた空間にある。店名から伺えるように、ここは野菜や果物を中心とした小さな食堂。

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店頭に置かれている野菜や、メニューに使われている野菜は、すべてベジタブルフルーツマイスターの方によってセレクトされたもの。履歴つきというのが、食材履歴に対する好奇心を芽生えさせると同時に安心感も与えている。また、ここが一次産業県なので、青森県産だけを…というのではなく、全国の野菜をしっかりと取りそろえているところに、セレクトにバイアスがないことを証明している。

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メニューを見て「いいなぁ…」と思ったのが、ベジフルキッチンだからといって、野菜一辺倒のメニューしか揃えていないのではなく、親しみやすい洋食メニューが主体だということ。野菜を食べることが、まだなんとなく栄養摂取のための儀式めいたイメージがある中、受け入れやすいメニューと一緒に、野菜力を感じてもらおうというお店のスタンスが垣間見える。

そんなメニューに、目移りしてから注文したのは、ペピーノソムリエサラダとペピーノピッツァの二品。「注文を受けてから無化調のドレッシングを調合し」、あるいは、「注文を受けてから生地を伸ばし…」という具合に、お客さんにとってのベストコンディションで料理を提供してくれるのが、うれしいところ。

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最初に運ばれてきたのはサラダ。これが大盤振る舞いな量。20センチ近くあるサラダボウルに、山芋、パプリカ、トマト、ブロッコリー、千切りキャベツ、ニンジン…といった具合に、数多くの食材が彩りよく盛られた一品。

さすがに野菜の味が濃く生き生きしている。これなら、量を食べるための健康ノルマ的なサラダではなく、しっかりと野菜の味と歯触りを楽しめる。これをブラックペッパーの刺激が際立て、ドレッシングの味も野菜より前に出るのではなく、野菜のエキスと一緒になって美味しさを生み出しているのがツボ。

最初に見たときは、本気で食べないと…という量だったので少しおののいたものの、食べているうちにあれよあれよとボウルから姿を消し、ほとんどなくなってしまったところで、運ばれてきたのがペピーノピッツア。

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パリパリでもなければ、モチモチでもない軽い食べ心地の生地には、決して鮮やか過ぎないトマトソース、チーズ、エリンギや山芋、さつまいも、ほうれん草がトッピング。

やさしい味のソースとやさしい味の野菜を、やさしい食感の生地で食べると、ピザが持つジャンクなイメージは吹き飛んでしまう。味の濃さの理由が調味料ではなく素材からあふれ出しているからこそ、ワンピースをぱくりと食べるテンポが早くなる。本当は、「スロー」がコンセプトにあると思いつつ…

丁寧な接客も心地よく、野菜うんぬんといった理屈めいた話を抜きにしても楽しめるこのお店。こういうお店が一軒でも増えてくれればうれしい限りだ。

この記事を書いた人

takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/Local-Fooddesign代表。「10年後でも古びないモノ・コトづくり」をコンセプトとした商品・サービス開発、既成品リニューアルをはじめ、食と旅がテーマのコンテンツ制作・事業、編集、撮影、執筆、漫画原作、講演を手がけています。プロフィール・事業実績はこちらから