JALPAK presents 行っチャイナ!食べチャイナ!~中国ウマウマ食い倒れツアー~ その13・夜の天安門広場にて、「美味珍」にて
旨いランチと地元食フリークの皆様、ひるどきでございます!!!!!!
ところで…現在のひるどきは何位になっているでしょうか?
北京ダックで気分もお腹も満たされた後、ホテルに向かうバスは夜の天安門広場に立ち寄ることに。少し離れたところにバスは停車し、広場へは歩いて向かう。
一歩、また一歩と近づくたびに、昼間の姿とはうって変わって、幻想的なライトアップが施された姿が視界に広がる。
天安門広場では、来年の北京オリンピックに向けてイベントが催されていたり、今では多目的に使用される頻度も高まっているものの、思えば毛沢東による中国の建国宣言がなされたのはこの天安門の地。
その時代を知る人にとっては、今の中国の姿というものはどう映るのだろうか。
天安門広場から、門がある対岸に渡るにはこの地下通路を使うのが一番の早道となっている。階段を駆け足で下って駆け足で上り、門に向かってダッシュする。そして、門の前に来た瞬間、まるでこの旅の終点に到着したかのような、感覚になってしまった。
もっとゆっくり時間をかけて、この場所に居ることを実感したかったのだが、あいにくバスの集合時間が迫ってきたので、またもやダッシュでバスへと戻る。
食は日本でも高い再現度によってめぐり合うことができるものが多いが、知っているものの目の当たりにしたことがないような場所に立った瞬間の高揚感、これだけはその場でしか体感することはできない。
ここに来てよかったと、心から思えた瞬間だった。
それから数時間後、ホテルでMLBのディビジョンシリーズを見ながら(現地の2つのホテルとも、NHK-BSを見られたのが、日本語的に妙に安心できる出来事だった。)荷造りをし、早起きをして朝観光を楽しんだ他のメンバーと一緒と合流。
チェックアウトまでの約2時間は自由行動となっていた。頭の中で時計の針が動く中、この2時間を使い、慌ててタクシーで向かった先は、この旅の最終チェックポイントである、「美味珍」というお店。
この方の念願だったこのお店は、満干全席をも出す宮廷料理のお店。そして、日本でもなかなかお目にかかれないスープ、「佛跳墻」(ファッチュウチョン)を出すお店。
煌びやかな店頭から店内に入ると、内装は更に豪華絢爛。お店の方が着ている衣装も貴族の衣装。
どうやら、かなりの高級店らしい。
この旅最後の円卓に座り、こちらの方による抜群の語学力にて佛跳墻の他にも、お店の方オススメの料理を含めた数点を注文。
・鹿肉、栗、棗の炒め煮
早くも、強力な食材料理の登場。少し甘めの味付けが似合う棗、自らの甘さと調和しながら主張も忘れない栗、そして、滋味溢れる鹿肉のたくましく深い味が組み合わさると、きれいな断層によって味が組み立てられる。
・ワニ肉のソテー
まるで、チンジャオロースのような一皿は、ワニ肉自体は鶏肉と同じように、淡白であっさりとした口当たりなのだが、やっぱり凄いのが味付け。ピリ辛仕立てで味にアクセントをつけており、その辛さとベースの味による濃さのバランスが、食欲を欲する意味では申し分なく絶妙。
・揚げ海老の炒め煮
大ぶりの海老がプリっプリっプリっ。大きな海老を食べたというだけで、贅沢なことをしていると思ってしまう小市民な自分にとって、この味で思う存分に海老を食べることができるとは思わなかった。一旦揚げてあることで、海老の味は封じ込められ、衣には調味が絡まり、理想的な味のカタチに。
そして、いよいよ壷に入った主役が目の前に。
・佛跳墻
蓋を開いた瞬間に立ち込める香りの、恐ろしく深く複雑な作り。これですこれです。これが自分も昔、美味しんぼのアニメ版で見た幻のスープ、佛跳墻。
中には、アワビ、ホタテの貝柱、フカヒレ、ナマコ、キノコ、ガチョウの水かき、筍、鳩の卵などなど20種類以上の具が入っている。
スープベースは、意外にも豚骨。でも、臭みは皆無。これに紹興酒を加え、更に具をふんだんに入れてじっくりと弱火で煮込み続けると、成分が溶け出して旨みという一致点に集まっていく。
とにかく、震えるほど旨い。一つ一つの具が生みだす味の細かい階層を、一歩ずつ降りてゆくようなと思いつつ、実は逆に説明しようと思えば思うほど、スープに遊ばれてしまっているのかもしれない。それぐらいに懐の深く人を見透かすような味。でも、不思議とほっとする味。
正直、食べている時に、アドレナリンが噴出してしまい、大笑いをしてしまった。それだけ興奮させる凄い味だった。
・(佛跳墻とセットの)フカヒレ
このセットは世界一強力な組み合わせ。姿まるまるものではなく、一口大のフカヒレがスープにたっぷりと入っている。
そして、スープを口にした瞬間、佛跳墻を口にしたときの震えるような感動とは別の感動が。とろみがかかったスープの味がものすごく深い、そして旨い。フカヒレが無味なだけに、戻し方やスープの調味で方向性が決まるのだが、これは凄く丁寧に作られた一品。しかも、このフカヒレには…
ご飯がついていて、本当の食べ方は…
こんなに贅沢な食べ方があっていいのか。もう、生涯最高の経験。いかん、やばい、どうしよう。笑いが止まらない。自分の贅沢メーターを振り切ったこの瞬間、食べて本当にアドレナリンが噴出したのは初めて。何があっても許せてしまうぐらいに、とにかく幸せな時間だった。
・鳩をかたどったデザート
そんな余韻を受け止めてくれるこのデザートも、上品な甘さに包まれていた。
今まで、食事というものが、こんなに人を楽しませてくれるとは思わなかった。そんな経験なんて絶対にないと思いながら、どこか客観的に食べていたのだが、この味は別格。ツアーオプションに含まれていたら、絶対に行きたいところだし、この味を目当てに旅をするのも十二分にありだと思う。
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