弘前市・「弘前城雪燈籠まつり」が魅せる二つの顔 ~夜の顔~

16/02/2009青森,東北,ひるたび・さんぽ

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昼間、あんなに白一色だった弘前城は、夜の帳が下りると、黒と白の二色の姿に装いを改める。さしずめ、白い肌に黒い髪、そこに色とりどりの化粧が施されているかのようだ。
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まるで、静寂を象徴するような白い燈籠に火が灯ると、闇の中にその表情が浮かび上がる。このまつりそのものに二つの顔があるのと同じように、一つ一つの燈籠にも二つの顔がある。
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煌々とライトアップされた弘前城と、うっすら浮かび上がる女性の組み合わせは、どことなく、時代小説で読んだようなエロティシズムを想起させなくもない。
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というより、この目に見える景色があまりにも非日常なのだ。
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昼間と同じように、本丸から小さなかまくらを眺めると、煌々そして怪しくロウソクの灯がこちら側を向いている。遠くに見える岩木山にあるスキー場のナイター照明が、ロウソクの灯を一層やわらかいものに感じさせる。
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本丸から降りる階段は少しだけ薄暗く、足元がおぼつかなくなる。特に、カメラを手にしているだけに、ますます歩幅は小さくなってしまう。
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大雪像エリアに足を伸ばすと、一戸時計店の店内にも明かりが灯っていた。
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ミニかまくらが並ぶ空間に足を踏み入れると、一つ一つのかまくらに魂が宿っているように感じた。
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幽玄の美、時が進むごとにロウソクの姿は変化し、それを包む雪の姿も変化する。だから、一瞬一瞬の灯りを心に焼き付けたい。今日、この目の前の景色は解けて消えてしまうが、心に焼きつけたものが解けて消えることはないのだから。
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu