2011_冬の青森・北の三都物語 その1
青森に2年間住んでいた自分にとって、
今の居住地から青森に行くということは、
何かしらの仕事絡みだったり、
カミさんの実家への帰省だったりするので、
いわゆる「旅行」で青森に行くことからは、
久しく遠ざかっていた。
で、せっかく東北新幹線が全線開業したのだから、
ある意味で目的のない旅をしようと思い、
弘前→青森→八戸という、
前からあればいいなぁと思っていた、
青森版・北の三都物語を実践することにした。
ということで、東京駅から3時間20分。
最短ダイヤで北上する東北新幹線で新青森駅に到着。
3連休ということもあって、車両から降りるお客さんの数は多く、
エスカレーターにたどり着くまでに、ちょっと時間がかかってしまった。
エスカレーター渋滞でちょっと疲れてしまった
自分のテンションを高めてくれたのは、
津軽三味線の音色。
駅構内に響く度に心を揺さぶってくれる。
新幹線ホームからコンコースを経由して、
弘前行きの奥羽本線に乗り換えるには、
一度改札を出なければならないのだが、
ここで特急の指定席を買おうとすると、
自販機ではなく有人券売窓口のお世話になる。
ただ、1人しかいないので、
乗り換えの時間が20分程度あるとはいえ、
油断しているとあっという間に出発時間となる。
ホームにおりると、自由席の乗り口には、
既に行列が。結局、満席。
ドア付近に立っての弘前への旅路。
曇りガラス越しの奥に映る景色は、一面の雪景色。
秋には赤い実がたわわに実るりんごの木も、
今は白い雪で覆われている。
弘前駅に到着すると、改札の先には「津軽弁」売場。
これだけは、自分も携わっているのでちょっと気になってしまうが、
滞在時間や食べるタイミングを考えた末、今回は手ぶらで売り場を後にする。
久しぶりに、土手町の100円循環バスに乗り、
向かった先は、雪灯籠祭りが開催されている弘前公園。
春には、ピンク色の桜で染まるお堀も、この時期は白一色。
凍えるお堀が溶けるに連れて、春満開が近づいてくる。
会場でお出迎えしてくれるのは、
すっかり定着した「たか丸くん」。
このキャラクターの前にデビューした、
「為信くん」はいずこへ…
雪を踏みしめ、時に滑りながらも先に進み、
内堀の主である白鳥の姿を拝みながら、天守へ。
夜であれば、ライトアップされた灯籠との競演だったのだが、
今回はあいにくの時間切れ。公園を後にすることに。
向かった先は、久しぶりの「しまや」。
雪が似合うたたずまい、
やっぱり、どんな形であれここに来ないと、
自分にとっての弘前は終わらない。
カウンターのちょっと背が高いイスに座りながら、
ホーローのバットに盛られた料理を見るだけで幸せになれる。
もやし炒めや身欠きにしんと共に熱燗をちびちびと。
青森で生活しているうちに、
少しだけお酒が飲めるのようになったのも、
このお店のおかげ。
そして、日本海側で採れる海藻「つのまた」を使ったおみそ汁。
不思議なコリコリ感が楽しい一方で、実はこの海藻が入った汁を冷やすと、
翌朝はすごいことになるらしい。
うん、やっぱり弘前はおもしろい。
三都物語は始まったばかりだ。