2011年、瀬戸内へ。 その0 〜さぁ、行きましょう。〜
台風のニュースを気にしながら、
旅のスケジュールを考える9月のある日。
朝のテレビでも夜のテレビでも、
アナウンサーは旅先と進路が重なるなんてことばかり話している。
「もしかしたら、いきなり晴れるんじゃないかなぁ……」。
誰しも、そんな希望を持つのは同じだけど、
折畳み傘を荷物に入れるのも、きっと同じ。
そんな楽しみと不安、
そして奇跡を心待ちにする出発前夜だったのです。
羽田から高松空港に向かう機中の人になった自分は、
久しぶりに乗るANAのドリンクメニューにご当地ものを見つけて、
ちょっとワクワクを覚えたり、
(結局はスタバのアイスコーヒーでしたが…)
機内で放送されるプログラムが、ちょっといい話だったり。
つまり、空の旅を満喫していました。
とはいえ、沖縄とかに行く訳じゃないので、
あんまりのんびりすることもできず。
ということで、窓際に座ってぶ厚い雲の姿を眺めながら、
空港の売店で買った、牛たん麦飯という空弁を食べることに。
多くの駅弁は、こういう感じに個包装というのがされてなくて、
お箸で食べるスタイルが基本形なのですが、
(最近は、個包装のおにぎりやサンドイッチを、駅弁の売店で見る機会も増えてますが)
空弁だと食べる時間が少なかったり、テーブルのサイズが少し小さかったり、
何より、食べている途中で着陸態勢に入ってしまえば、
テーブルを畳まなければならないことがある。
…という色々な制約に囲まれているのが、航空機の空間なので、
こういう形が一つの答えなんでしょう。
余分な味付けがなく、タンの厚さがしっかりまっとうで、
噛みごたえも手伝ってか、腹持ちが意外といい。
シンプルだけど、ご当地感を伝えることができる。
こういう商品に出会うと、
駅弁のプロデュースをしている自分にとって、すごく勉強になります。
そして、空弁を食べる時間を作るために、
もっと飛行機の旅にも出ないといけないんだなぁと、思ったりもしたのでした。
…ある意味、本末転倒ですが。