山口県萩市・「花燃ゆ」の舞台を訪れるなら、まずは巡って遊んで食べておきたい10のチェックポイント その3/萩反射炉
笠山から市街地に戻る道すがら、北浦街道沿いのコンビニエンスストアに立ち寄ろうと思ったところで、駐車場の奥に見えたのがこの看板。
「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」として世界遺産への登録を目指し、対象地域である6県11市に点在する建物や機械、工場。その一つがこの萩反射炉です。耳慣れない単語の謎を解きに、階段を一歩一歩踏みしめることに。
反射炉とは金属溶鉱炉のこと。かつて、州藩が軍事力強化の一貫として鉄製大砲を鋳造するために導入を試みた際に建造されたものです。その手本としたのは、既に反射炉として操業をしていた佐賀藩のもの。スケッチをした図面を基に設計を開始し、鋳造に取り組んだそうです。
…と、残念ながらこの日は整備工事のために、金属足場が取り囲む姿しか見ることができませんでした。
2本並んだ煙突が印象的な外観ですが、実際に鋳造をしていた静岡の反射炉の高さが約16メートルなのに対して、こちらの高さは約10メートル半。他にも大砲を製造する際に必要な設備の姿もないことから、試験運用止まりだったという説が有力となっています。
しかし、国内に現存しているのはここと静岡の二箇所のみ。空に向かって聳える姿は、貴重な資料として世界遺産登録のその時を待っています。