富士宮市・第2回B-1グランプリと富士宮やきそばを巡るひる・たびさんぽ(その2)~前島で食べる焼きそば、しぐれ焼、そして謎のアイス~

05/06/2007静岡, 中部, 鉄板/粉もん料理, ひるたび・さんぽ

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普段の土日であれば、このお店に入るには2時間以上待つこともあるのだという。それが、この前島というお店。B-1用の駐車場として、このお店の奥にある学校の敷地が提供されていたのだが、みんな素通り。その状況は普段の週末の混雑っぷりを知る方にとってみれば「ありえない」とのこと。

この状況に幸運と興奮を覚えながら店内に入ると、テーブルには丁度空席が。ということでレジに置かれていたメニューから、焼きそばの肉玉、ミックス、「しぐれ焼」の肉玉、そして麺類みな兄弟の考えに則ってラーメンを注文。

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このお店の味はラードから始まる。よく見かけるラードの色は真っ白なのだが、お店の看板娘であり、お一人で焼きを担当しているおばちゃんにしてみると、「それは違う」とのこと。熱々の鉄板に流し込み、少し茶色がかった白濁色が透明に変わったら、そばを投入。ちなみに、このお店ではマルモ製のそばを使用。

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で、そばの横では、しぐれ焼の生地を薄く焼いている。しぐれ焼とは、広島のお好み焼きのごとく、鉄板で焼かれたキャベツや生地に、焼きそばを組み合わせたものである。

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それなのに、しぐれ焼という名前なのだが、どうしてこの名前がついているのか、実はお店の方もご存知なく、いつの間にかこの名前になっていたらしい。

生地の上にキャベツを乗せて、更に熱を通す。ところで、この時期のキャベツは新キャベツなので、水分が多い。ということで、このお店では細かく刻んだキャベツを、一旦ザルに入れて外気にさらしておくことで、水分を飛ばしてから使っている。こうすると余分な水分が飛び、甘さが凝縮されることになる。

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キャベツに軽く熱が通ったら、そばを生地に乗せて更に豚肉とネギを加える。

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こうして完成に近づきつつあるしぐれ焼の隣では…

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同時進行で作られていた焼きそばのミックスと肉玉から、食欲を刺激する香りが発せられていた。

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で、しぐれ焼はまだ調理の途中なので、先に焼きそばを食べると、ラードを使っているにもかかわらず食べやすい。まら、富士宮やきそば特有の弾力に溢れたそばの強さを、いい具合に立てており、そこにソースの酸味ではなく、まろやかな味が加わることで、申し分のない満足度を生み出している。

つまり、どれかの調味料の味が勝つのではなく、しっかりとそばに対してフィットする味がバランスよくちりばめられているのだ。また、鉄板のままで食べるので、麺がパリパリに焼かれることで、そばそのものが、そばに対するアクセントとして活きることになる。

そして、しぐれ焼は仕上げの段階に。そばが盛られた生地を裏返して、横で卵を焼く。

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これに生地を重ねて、仕上げにソースが塗られて完成。

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コテで6分の1に切り分けて、口に放り込むと、フハフハとガマンできなくなるぐらいの熱さ。そして、そこから広がるのは、ふんわりしっとりとしたキャベツや内側に面した生地の口当たり。もっとがっつりとボリューム系なのかと思いきや、完全に真逆の繊細な作り。はっきり言ってこれはすごい。

焼きそばも、ここでは弾力よりもパリパリと生地的な役割を果たしており、内部の口当たりとコントラストを生み出している。

そして、もう一つ注文したラーメンが運ばれてきた。

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これ、実は110円。インストっぽいのだが、実はお店の方曰く全然違うとのこと。この値段には子供でも気軽に食べられるようにとの思いが込められている。食べて身体が温まり、お店の姿勢で心が温まる。そんなお店にはもう一つの名物が。

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こんなメモを見つけてしまったので、一つ注文すると…

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この姿とこの味、締めには必須である。

この記事を書いた人

takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家/Local-Fooddesign代表。食にまつわるテーマを中心に、新商品・サービスの開発とリニューアル、プロモーション・コンテンツの企画制作。各種編集、取材、撮影、執筆、講演をワンストップで手がけています。サービス内容はこちら。>>Local-Fooddesign

Posted by takapu