新橋・金ふじ いかじゃが定食(800円)
行きつけの定食屋さんってお持ちですか?
ラーメンにうどん、中華料理だったりイタリアンだったり。
お昼にちゃんと和定食を食べる機会って、
意外に少ないものです。
でも、時にはゆっくり一汁三菜な食事をしてみたい。
そういう時もあるものです。
三州屋とか岩戸とか、自分にとっての行きつけは、
カキフライを食べたり、冷汁を食べたり。
このメニューを食べたい!っていう時に暖簾をくぐることが多いものです。
一方、ふと昼休みに街を歩いていて、
こんな感じのお店を見つけたら、
入ってみたくなるものです。
小さな厨房で職人さんが手際よく料理を盛り付けて、
カウンター席に次々と並んでいきます。
今日注文したのは、いかじゃが定食。
この定食の名前、いい感じです。
煮汁の和色に染まったじゃがいもは、
しっかり煮こまれた証。
箸を当てればスッと崩れ、
ほろりと崩れたところを箸でつまめば、
イカの旨味が馴染んだ煮汁の旨さがぎっしり詰まり、
いもの甘さと組み合わされば、
ごはんが進まない理由はありません。
輪切りのイカに箸を伸ばせば、
押し返す弾力と、にじみ出る旨味とが
一口ごとに融合します。
半分ぐらいご飯を食べたところで、
生卵にお醤油を少し垂らして
かき混ぜたところで熱々ごはんに注ぐ。
一汁三菜の嬉しさから、
一杯の生卵ご飯の美味しさへシフトします。
高菜の漬物とコクのある味噌汁の香りも、
茶碗のスピードを早めます。
やっぱり、センターポジションはごはんですね。
最後はじゃがいもを一口で頬張れば、
満腹と満足が一緒に全身に走ります。
お店の外に出た後、やっぱり和むんですよね。
でも、家でも作れそうなメニューだと思っていると、
意外に作ってないことに気がついたり。
出汁を引いたり味噌を溶いたり、
漬物を刻んだり鍋でごはんを炊いたり。
一つ一つの調理所作が楽しいのも、
考えてみると和食の佳さ。
和定食屋さんの所作って、
普段の食生活を映す鏡なのかもしれません。