新潟県新潟市・中華のカトウ 朝ラーの矜持
朝からラーメンを食べる「朝ラー」。
炊き立てのごはんを食べたり、焼き立てのパンを食べたり。
それと同じように麺をすすり、スープを飲んで身体にエネルギーを満たす。
特に福島の喜多方や静岡の藤枝に定着する食文化ですが、
新潟にもそんな食文化が定着しています。
中心地・古町界隈で朝ラーを出しているこのお店。
黄色い看板に濃紺の暖簾、独特のフォントに歴史を感じつつ店内へ。
メニューは中華そばとチャーシュー麺の2種類。
これの普通盛りか大盛りだけ。
メニューの数が多いと迷うものですが、
シンプルゆえに迷うこともあるんだなと。
初めてということもあって、中華そばの普通盛りを注文してみました。
澄んだ茶色のスープに透けて見える幅広麺。
これが、表に書かれていた手打式というもの。
あとはタマネギとメンマにさやえんどう。
具だくさんの中にシンプルを感じるのが、
中華そばの気品だと思います。
レンゲでスープを一口飲むと、タレの強さではなく、
しっかりと地に足の付いた出汁のおいしさ。
そんなスープに馴染んだ薄平の麺。
強いコシや強いハリではなく、
スープと一体になって舌に絡む食感は、
独特の印象と共に優しく身体に馴染んでくれます。
滑らかな麺を一度啜り始めると手と口は止まらず。
タマネギの甘辛さをアクセントにしながら、
最後までダッシュで食べ終えてしまいました。
これで450円。本当にありがたい価格です。
そして、これがチャーシュー麺。
薄平麺の蓋をするようにチャーシューが5枚、
滑らかな食感と、がっつりチャーシューのコンビネーション。
なんとも幸せな朝です。
喜多方や藤枝の朝ラーは、
地域の産業サイクルが背景で生まれた食文化。
新潟の朝ラーも同じなのかもしれません。
興味から関心、そして尊敬。
朝ラーという文化には、地域の矜持を感じます。