築地・「築地市場&カキの産地別味比べ」ツアー ~後編~
旨いランチと郷土食フリークの皆様、ひるどきでございます!!!!!!
さて、現在のひるどき、順位はいかほどに?
築地の場内・場外を歩き回り、時計の針が午前から午後に変わる少し前、「魚河岸三代目 千秋 はなれ」に集合し、カキの産地別味比べが始まった。
場内ツアーの参加者は7名だったが、カキの産地食べ比べ部門の参加者は20名。
食べ比べというイベントは、オイスターバーであれば普通に注文すれば、結果的に食べ比べになるものの、説明も含めての食べ比べとなると、それを果たしてくれるお店は意外に少ない。なので、じっくりと牡蠣について色々な話を聞いてみたい。
ということもあっての人数なのかもしれない。
で、今日のメニューはというと…
さすがに、全部の料理に牡蠣というわけにはいかず、生牡蠣とカキフライ、そして味噌汁に牡蠣が張っている。
生牡蠣は3種類。生牡蠣は右から宮城産、広島の「かき小町」、そして赤穂産。上から眺めたルックス的には、かき小町が一番整った楕円形であるものの、どれもカップが深く、内臓がぷっくりと膨らんでいた。
・宮城産
いわゆる、スタンダードな牡蠣と呼べる一品。細胞の食感がシャキシャキというものに近く、きゅっと締まった身からは、心地よい磯感が広がる。
・広島産「かき小町」
次に、広島のかき小町。元々、この品種は「夏にもマガキを食べることができるように」ということで開発された三倍体というもの。
自分も、科学者ではないので、遺伝子的な話にはると弱いのだが、三倍体とは、二倍体という染色体の組み合わせに対して、もう一つ染色体の組み合わせを追加したもの。
オス側の染色体とメス側の染色体を持つものを二倍体と言うのだが、三倍体の場合はここにもう一つ染色体を組み合わせることで成熟させない、つまり産卵させないものにしている。
牡蠣は産卵によってお腹がカラッポになると、味も何もなく当たりやすい牡蠣にもなってしまうが、三倍体の場合は自らは産卵しないため、栄養素が体内に蓄えられることで、たっぷりと旨みが備わった牡蠣になる。
大きさが三倍なのではなく、染色体構造が異なるので特徴的な性質を持つのだが、それでも1.5倍ぐらいの大きさはある。きゅっと締まった身からは、量に比例したエキスがたっぷりとあふれ出す。
・相生産
とはいえ、やはり自分は岩牡蠣のように濃厚な味の相生産が、この中ではお気に入り。形は少しくずれているものの、味の濃さは随一。
・岩手県大船渡産のカキフライと味噌汁
実は、大船渡産のカキというのを、あまり食べた経験がない。なので、大きさ等の第一印象から味をイメージして食べたものの、実際にはかなり濃い味に仕上がっていた。
これが味噌汁になると、更にダイレクトに牡蠣の磯味が広がる。衣の強さで緩和されることなく、そのまんま牡蠣の味が染み出しているので、好きな人にとってはたまらない味。
冒頭の写真は、このツアーのために築地ツアーデスクの山崎さんによって作成された資料。これを基にして色々な説明があったのだが、個人的に興味深かったのがこの出荷証明書の話。箱単位で養殖地から出荷される際は箱には必ずこれが入る。つまり、トレーサビリティである。
この日食べた広島のかき小町にも、当然ラベルが。意外に現物を見る機会がないので、自分には貴重品である。
色々な説明を聞きながら、色々な牡蠣の味を楽しむ。牡蠣好きにとってたまらない時間となった。
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