青森の夏、祭りの夏。
今年も青森に夏祭りの季節がやってきました。
大型山車の圧倒的な迫力、跳人の熱気、
幽玄たる見送り絵、見上げる先の立ち姿。
何年経っても、
お祭りの記憶は色褪せないもの、
それは美味しいものの記憶も同じ。
例えば、青森市内のお蕎麦屋さん。
澄み切った出汁をレンゲで一口掬って、
ちょっと口にすれば笑顔がこぼれ、
そこに浸るお蕎麦を引き上げて啜ると、
舌触りから歯触りへの流れに沿って、心がほっと温まります。
傍には、サクサクの天麩羅。
どれから食べるか迷っても、最後は必ずエビ天。
その間、野菜の瑞々しさに驚きつつ、
そばもやしを合間に挟み、そばを啜って出汁を飲み干す。
この普遍にも似た繰り返しが、とにかく楽しいのです。
食後は、ちょっと汗ばむのですが、
身体中の水分をこの出汁に入れ替えたくなるぐらい、
夏祭り帰省の度に、
ここの味を求めてしまいます。
今年も一人一人の記憶の中に、
また新たなページが作られます。
そして、願わくばそれが青森で食べたり飲んだりしたものが、
美味しかったという記憶であって欲しいものです。