【青森県青森市】「一八寿し」の竹握りと八戸前沖さば、そしてホッキ貝の握り。
青森に居ても、毎日ホタテを食べるわけではなく、毎日魚を食べるわけではなく、自分でも意外に思うぐらいに、鮮度がいい魚を食べる機会が少ない。ロードサイドのスーパーに行けば、並んでいるのは輸入ものの冷凍味つけ赤魚しかないこともある。
一方、古川市場に行けば、首都圏じゃ考えられないようなすごい魚が、すごい価格で売っているが、量が結構あるので一人で生活していると意外に足が向くことが少ない。あまりにも幸せな環境にいると、「いつかは食べるだろう」なんていう甘えが生まれ、結局は「いつも食べない」ものになってしまう。
自分にとっては、お寿司屋さんも同じような存在。「いい魚がある環境の寿司屋さんは、すぐそこにあるんだから…」なんて思い続けているうちに、2月になってしまった。
カウンターに腰かけたらすぐに握りの竹を注文。気がつけば職人さんの手元に見入っていた。
津軽塗のつけ台ににぎりが一つずつ並んでいく。マグロ、イカ、ボタンエビ、赤貝…一つずつネタの美味しさとシャリの空気感を口に含ませる。やっぱり、自分の舌は正直で心は正直だ。竹だけでは物足りなくなって、地物の握りを3つ追加した。
八戸前沖サバの締めサバと、2種類のホッキ貝。
磯の香りが積極的に口に広がる生ホッキと、ボイルすることで香りをゆるめ、旨味を引き出した赤いホッキ。食べ比べは楽しく、サバは美味しく。
お代は2,555円也。お昼にしては少し高くなってしまったが、旨い魚を食べた満足感が手に入ればそれでよく、もっと青森で美味しいものを食べる幸せを感じたいと、改めて思い直した。