【かなヱ門/青森県青森市】心も身体も温めるたこ焼き

子供の頃の食の記憶。家庭の食卓に並ぶ温もりに満ちた母親の手料理や、教室で食べた給食。

記憶に残る料理やシチュエーションはきっと十人十色。でも、その中にきっとあるはずなのが自分のお小遣いで食べた味。小さなカイグイの経験が、身体と心を大きく育ててくれたものです。

三内小学校通りを彩る黄色い看板。お好み屋のフォントに、どことなくねぶたっぽさを感じさせるこのお店。食べた数は少なかったのですが、青森に住んでいた時から大好きでした。

かなヱ門の内観


テイクアウトで買ったものを食べることばかりだったので、お店に入るのは初めて。二組のテーブル席と赤いカウンター。それを見守るズラッと並んだお好み焼きの数々。

思えば、自分が小さな頃に通っていたニューふくやというたこ焼き屋さんは、確か10個入りで300円。でも、それはもう30年前の話。今の時代にハム玉280円という金額は、コンビニで買い物をするのを考えれば、圧倒的なコストパフォーマンスです。

かなヱ門のメニュー


そして、この豊富なメニュー。基本のハムに海鮮系の具やマヨネーズを組み合わせてみようか、とろけるチーズでまろやかになった生地を食べようか。

豆板醤入りも含めると、お好み焼きのラインナップは迷い放題なのですが、実はよく食べていたメニューはマヨコーンたこ焼。久しぶりにソースとマヨネーズの食欲をそそる香りに対面しようと思いつつも、シンプルに普通のたこ焼きを10個焼いてもらいました。

鉄板に向かい合うのはこのお店の奥さま。一つひとつ返していく姿はカイグイなのに家庭的。商業的なたこ焼きチェーンと違うのは、作る過程に静かな花が咲いていること。ひまわりではなく月見草。そんな感じです。

かなヱ門のたこ焼き


アツアツができあがりました。ストーブで温まった店内に立ち上る湯気と香り。ハフハフを頬張れば、生地とタコだけのシンプルなたこ焼きの素朴な美味しさが、心を温めてくれます。

イマドキの出汁がしっかり効いた味というよりも、ソースという調味料の美味しさに染まった生地を食べるといった感じ。でも、外観やお店の雰囲気とマッチした優しい味。

きっと、平日の夕方なんかは、学校から帰った子供がお小遣いで食べてるんだろうなぁと思ったりします。で、大人になって当時を振り返ったときの印象的な記憶になっていくんだろうなぁと。

未来に語り継がれる味はきっと色々。そして、それはいつの時代も手作りの味であることには変わりません。

【この記事を書いた人】

合同会社ソトヅケ代表社員/Local-Fooddesign代表

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