【虹のマート/青森県弘前市】ここに来れば、地元の食材と惣菜が一気に楽しめる!

20/12/2007青森,東北,ひるたび・さんぽ

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弘前駅から徒歩5分ほどにある弘前食料品市場、通称「虹のマート」。

ここは、地元のお客さん向けに野菜や魚、乾物などなどを販売しているが、場所柄、観光客が足を運ぶことも多々という場所である。

館内に入ると、そこに広がりしは地元のお客さんにとっては日常食、そして、自分を含めた観光系の客にとっては、非日常の魅力がたっぷり詰まった品々が揃っている。

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魚の加工品を中心に扱っているこのお店では、味付きの身欠き鰊をはじめ、

鮭やホッケの飯ずし、そして筋子といった、ごはん党にもアルコール等にもたまらないアイテムが。

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八百屋さんには津軽の大地が育んだ野菜や、ここに快い仕事が加わった漬物がズラっと揃っている。色鮮やかな漬物たちではあるものの、基本的に無着色。野菜そのものの質がいいからこそ生み出せる色合い。

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これは、葉くるみ漬。葉の中には生干し大根がたっぷりと入っている。ところで、津軽の漬物の特長として、こういった葉物で包んで漬ける文化がある。また、包む葉の種類も多種多様。このあたりが、素材力に溢れた青森の層の厚さを物語っている。

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そして400年以上の栽培の歴史を持つ大鰐温泉もやしも売られていたが、やはり絶対数が少ないため午前中には確実に売切れてしまうとのこと。

で、実は大鰐温泉もやしには2種類あって、上のは豆もやし。

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そして、これがそばもやし。味の違いを知るのに一番の食べ方は、さっと湯通ししてお浸しで食べること。太さや口当たりの違いが大きな味の違いとして、瑞々しさと共に口に広がる。どちらにしても、もやしに対する価値感が変わること確実である。

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これは、津軽名物「けの汁」用の具材。水煮で缶や容器にパッケージ化されたものもあるが、やはり切り立ての食材がビニールに入った、こんな感じで売られているもののほうが、確実に野菜の旨みがしっかり残っている。過剰な包装ではなく、丁寧に切られた姿こそが、一番の包装なのだとプレゼンテーションのあり方についても再確認。

で、朝食としてマートに入っているお惣菜屋さんで購入したのが、お赤飯と弘前市の隠れご当地グルメである「イカメンチ」。

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青森のお赤飯の特長は、お砂糖を入れて甘く炊くことにある。字面だけでは抵抗感が芽生えてきそうなアイテムではあるが、実際に食べてみるとこれがものすごく旨い。米の甘さと砂糖の甘さが一体になり、抵抗感どころか未知なる物が身体に入る喜びで一杯になる。

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イカメンチは、弘前の家庭では親しまれているお惣菜。イカの身をイカ刺しとして食べた後に、使わなかったゲソを細かく刻んで、これを野菜と一緒に衣に和えてあげたり焼いたりするというもの。

家庭では焼くのがポピュラーという一方、店舗では揚げ物として提供するお店が多数派らしく、個人的には、なぜ焼く派と揚げる派に分かれているのかという、ストーリーが気になる一品。サクサクの衣、イカの弾力、そして野菜の甘さが衣に包まれて、噛むほどに口いっぱいに楽しさが広がる。

「郷土料理の品数の多さ=食文化の懐の広さ」と考える自分にとって、身近なところから食文化を伝えてくれるこのマート自体が、旅の目的の一つとなっている。

著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu