【みたか食堂/福島県郡山市】寒空の身体に沁みる味噌たんめんと餃子。そして想像を遥かに上回るカツカレーのボリューム。

19/12/2020福島,東北,カレー,ラーメン・ちゃんぽん,中華料理/その他中華系料理,ひるベター!!,よるどき

郡山のみたか食堂の外観

郡山駅から徒歩10分、小さな食堂の熱気が出迎える。

地元の方いわく「いやぁ、一気に降り積もって来ましたね」と、季節外れの大雪が夜空を舞う12月の郡山。寒空の交差点で信号待ちをする時間、キンキンに冷えた空気がスマホを動かす手の動きをぎこちなくします。

郡山駅西口から旧市場通りの先に歩くこと10分ほど、通り沿いに見えた看板に灯る、みそラーメンと餃子の文字。そして、店構えをキリッと引き締めるみたか食堂の暖簾。その先では店内を温める大きなストーブと、おかみさんの「いらっしゃい」の言葉が、温かく出迎えてくれます。

郡山のみたか食堂のメニュー

壁に貼られたメニューを見れば、やっぱり主役は味噌の麺類。カレーライスやカツ丼、定食もあるものの看板メニューの味噌たんめんと餃子を注文します。

郡山のみたか食堂のカウンター席と厨房の様子

よく、カウンター席は特等席と言いますが、ここまでしっくり来るお店は少ないかも。

中華鍋を振るって野菜を炒め、大きなザルで麺の湯切りをするご主人の姿。その傍らでお皿を準備をしたりと、テキパキとサポートするおかみさん。ガラス越しに見えた夫唱婦随の動きに目を奪われます。

野菜の甘さが溶け込む味噌タンメン

郡山のみたか食堂の味噌タンメンと餃子

「おまたせしました」の5秒前、厨房とテーブルを隔てる暖簾越しに見えた器のサイズに、ただただ驚くしかありませんでした。四人がけのテーブル席が小さく感じる味噌タンメンと餃子の姿は威風堂々。

郡山のみたか食堂の味噌タンメン

もやしよし!豚バラよし!キャベツよし!ニラよし!にんじんよし!

たっぷりの炒め野菜を頬張ると、期待以上のシャキシャキ感。豚汁のようにさっぱりした野菜の甘みと豚のコクが溶け込むスープ。だからこそ甘めな味噌の存在感が、口の中で堂々と。

郡山のみたか食堂の味噌タンメンの麺

もっちり中太麺をすすりながら野菜を頬張る。そうそう、この感じで空腹を満たしたかったんです!

生地と餡の食感の対比が楽しい!アツアツの餃子

郡山のみたか食堂の餃子

傍らの餃子は、半透明の羽がちょっとかわいい。もちもち生地の中にはきめ細やかなキャベツや豚肉の餡。何より食感の対比が面白い。なんというか、もふもふ…という感じ。初めての食感。だから一口ごとに驚きとおいしさが組み合わさっていく。

熱々の醍醐味を啜って頬張るうちに、思わず「ぷはぁ!」と声が出るのは、夢中で食べていた証拠。いつの間にか器の中にはスープが残るのみ。無数の細かい大豆をレンゲで掬って噛み締めながら、ごちそうさま。

郡山のみたか食堂がくれたマスクケース
お店に入って、お水と一緒にいただいたのがマスクケース。こうした気遣いをしてくれるのも嬉しいところ。

味噌タンメンの味の秘密は◯◯製の味噌にあり!

お会計のときに女将さんに「なんで、こんなにおいしいんですか!?」と尋ねると、「味噌はウチで作ってるんですよ」と謎を解く自家製の一言いただきました。だからあたたかな味で、お店を出るときに後ろ髪を惹かれるんだと。

寒い冬の夜に出会った、この上なく優しい味噌タンメンの味。「ありがとうございました」と女将さんの優しい顔とともに忘れられないものになりました。

圧巻のボリューム!パワフルを超越したカツカレー

郡山のみたか食堂のメニュー(2022年5月からの値段)

それから数カ月後、季節を飛び越え夏のような暑さが郡山を包んだある日の昼。再びお店の暖簾をくぐりました。入口すぐのテーブル席とカウンター席は満員御礼。靴を脱いで小上がり席へ。ご時世もあってか料理の料金は少し値上げしたものの、あのおいしさやボリュームを考えれば今までが気前良すぎな感もありました。

で、数多の料理から注文したのはカツカレー。相席になった初対面の方にお水を用意してもらったりと、小上がりテーブルって不思議な連帯感が生まれます。

郡山・みたか食堂のカツカレー

そんな中で運ばれてきたのがこちら!まさかの特大サイズ、たっぷりの白ごはんの上に大きなカツ。そこになみなみ注がれたカレーソース。白い皿から溢れんばかりのバランス感覚にちょっとドキドキです。

砂浜で山崩しをする感覚でスプーンでそっとすくって口に運ぶと、とろり甘口のソースからピリッと差し込む優しい刺激。食べやすいサイズにカットされた玉ねぎや豚肉がじっくり煮込まれた、永遠のスタンダードスタイル。ごはんをおいしく食べるために長年培われてきた小さな技が詰まった味には貫禄すら感じます。

郡山・みたか食堂のカツカレーの分厚いカツ

ロースカツも圧巻のボリューム。サクサク衣の中には厚さ1センチのロース肉がしっかり。もちろん衣にはカレーソースの旨さがしっかり染み込んでいます。やっぱりカツカレーって特別ですよね。

郡山・みたか食堂の中華風スープ

付け合せのスープは中華仕立て。たっぷりのワカメにネギ、ナルト、そしてコク出し役の揚げ玉が効いてます。

で、このスープがすごく身体にやさしいんです。その理由は、とにかくごはんのボリュームがスゴいから。推定茶碗換算3〜4杯分ぐらいのカレーを食べていると、水分も恋しくなるもの。それも胃を動かしてくれる温かいやつが。そんな時にこの一杯。最後の一口までおいしく食べるのに欠かせません。

ということで、20分ぐらいかけてようやく完食。胃袋と心を満たしたのは唯一無二の達成感。そんな時に目に入ったのが隣のテーブルに席に運ばれていたチキンライス。もちろんボリューミー。次も胃袋を空っぽにして暖簾をくぐることを心に決めました。

著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu