大阪に行くことが決まったら真っ先にやるべきこと。それは宿を確保すること。
ある日泊まったアメリカ村近くのビジネスホテルでも、フロントに向かうエレベーターやチェックインカウンターの周りに、大きなスーツケースを抱えた中国人の団体客の姿を見なかったことはありませんでした。
そんなホテルから外に出て、目に入ってきたのは黒壁の一角。3種類のファサードが詰まった小さな建物からは、美味しそうで面白そうな香りがします。
まずは福八というたい焼きやさん。末広がりの名前が冠された店頭では、バラエティに富んだあんの詰まったたい焼きが、次々と焼かれていきます。
その隣には、シフォンケーキの専門店・しふぉん堂。厚めにカットしたシフォンケーキに切り込みを入れて、そこにクリームをサンドしたシフォンサンドのラインナップは、目で惚れさせて想像力で虜にさせます。
また、シフォンケーキの切れ端は「シフォンのみみ」としてアソート展開。たい焼きと合わせて街歩きにぴったりのアイテムが揃います。
そして、一番先には心斎橋焙煎所の文字が。二つのお店を運営しているのはこちらのロースターでした。
豆だけの販売かと思ったら、二階のテーブル席で淹れたての一杯を飲むこともできるとのこと。
ということで、ちょっと尋ねてみたのは「たい焼きとシフォンケーキを持ち込むこと…できますか?」その答えは、もちろんOK!
ということで、福八さんでかぼちゃあんのたい焼きを、しふぉん堂ではストロベリーとエスプレッソの2種類のシフォンサンドをテイクアウトして、ホットコーヒー片手にイートインです。
まずは熱々のたい焼きから。二つに割るとパリッと軽快な音と共に、やわらかな色をしたかぼちゃ餡がお目見えです。
香ばしさをまとった皮とギュッと凝縮されたかぼちゃの甘さのハーモニーには、ひとかけらの重さもなく、軽やかでフルーティーなコーヒーとの相性も抜群。
皮に餡を絡めて食べれば、パリっサクっと響く音に更にに心地よくなります。
そして、シフォンケーキ。手で一口大にしようとした瞬間、指先に触れた生地の軽さに驚きです。
干したての布団のように軽くフカフカした口当たりの生地と、生クリームとのメリハリ。舌で覚えたこの楽しさはたまりません。
ストロベリーの爽やかな香りやエスプレッソの重厚な香り。そして、ドライの果肉やオレオのようなアクセント。絶対的な生地があるからこそ、何色に染め上げても芯の部分は変わりません。
美味しいコーヒーを核にして目で見て楽しく気分で和と洋が選べる。爆買いならぬ爆食べしたくなるお店です。