東銀座・ア ヴォートル サンテ エンドー 「ポパイとオリーブのカレー」と「フルーツカレー」(2,730円)
急遽、静岡から尊敬する師範がやってきたので、東京に存在する変化球メニューを食べてもらおうと、お連れしたのがこのお店。
で、以前にこちらのエプロニストと、女流カレニストが食べたフルーツカレーに加えて、ポパイとオリーブのカレーという、2種類の変化球メニューを注文してシェアすることに。
窓際の席に飾ってあった、この振り子運動をする置物を徹底的にいじりながら、待つこと約9分。2種類のカレーが運ばれてきた。
・ポパイとオリーブのカレー
・フルーツカレー
この2つが並ぶテーブルというのが、実に色鮮やか。それだけで楽しくなる。
まず、ポパイとオリーブのカレーは、注文前はほうれん草がソースに練りこまれているのかと思ったのだが、主役を張っているのはほうれん草が入ったモヤシ炒め。そこにエビ、タマゴ、レーズン、ア-モンド、トマトとオリーブが加わったその姿は、アニメのポパイが色々なシチュエーションで展開されていたかのごとし。
一方、ソースの味は辛さ、コクといった特定の要素が強く感じられるものではなく、ある種、まっとうに解りやすいカレーといった印象。で、もやし炒めと一緒に食べると、油分のコクによって味のスケールが膨らむのと同時に、なぜかカレー定食みたいなものを食べているような錯覚に陥る。でも、不思議にガツガツ入ってしまう。まぁ、だから定食みたいな印象なのだが。
ただ、多くの具材+カレーソースという組み合わせを楽しめるので、食後にあれがよかったこれがよかったと、一人で余韻に浸れるのはいいのかもしれない。
一方のフルーツカレーは、最初の一口までにためらったのだが、師範から「いや、これは合うよ」という一言を受けて、バナナとミントとカレーソースを一緒に口にすると、ソースが甘めの設定になっているので、2種類の甘さによるコントラスト+爽快感という、ちょっと考えさせられる味を感じた。
固定観念で考えてしまうと、この一皿を食べることに躊躇してしまうのだが、噛むごとに、実はお米の甘さを含んだ三段階のコントラストになっていることに気がつく。
他の柑橘類やキウイ、リンゴといったものと一緒に食べてからよく考えると、隠し味でカレーに入るものを、顕在化した具なんだよなぁと思う。そう考えると、これも食べ手が持つべき気づきの精神を重視したものかもしれない。
…なんて具合に、「お店がこんなことをたくらんでいるかもしれない」という、色々な想像が頭を駆け巡ることが、実はこの店の一番楽しいところだと思う。
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