
埼玉県川島町。 古くから小麦の栽培が盛んで、武蔵野うどん文化が深く根付くこの町に、ラーメン好きがこぞって足を運ぶ名店。それが、1965年創業の老舗『あぢとみ食堂』です。
かつては定食も提供していましたが、現在は店舗移転を経て、こだわりのラーメン専門店としてその名を轟かせています。

訪れたのは春休みの午後。店内は10名ほどの先客で賑わい、活気に満ちていました。
カウンター席に座ると、目の前の大きな窓からは桜の木が。タイミングが合えば、絶品の一杯を啜りながらお花見を楽しむこともできる贅沢な空間です。
そんなお店の名物がタンメン。写真が放つ山盛り具の迫力に圧倒されます。

しかもタンメンにはこんなバリエーションも。迷いどころですが、まずは普通のタンメンを注文。麺は太麺と細麺から選べますが、今回は食べ応えのある太麺をチョイスしました。
調理を受け持つのは、東京のラーメン店で修行したお店の二代目となる息子さん。店内には「一人で調理をしているので混雑時には提供が遅くなってしまう」的に書かれていたものの、3分咲きの桜を見ていると時間を忘れるものです。
そんな息子さんを助けるように家族経営感に満ちた厨房ではスタッフの女性がテキパキと。一人前の野菜が入った鍋が受け渡される姿や、豪快な強火で野菜が炒められる音。一つひとつを丁寧に作る所作に期待は高まります。
こうして入店から待つこと40分程度、目の前に運ばれてきたタンメンが・・・

いや、これすごいボリュームです!!ただでさえ大きな丼の上に盛られた野菜炒めの山。吹き下ろす香りを浴びながらさっそくいただきます!

大きな丼のさらに上に、キャベツ、玉ねぎ、人参、もやし、ニラ、豚肉、キクラゲといった具材が、まさに山のように盛られています。
その下にたっぷり入ったスープは淡麗滑らか。コクしっかりなのに重さがないスープは飲み飽きさせることのない味。野菜炒めをスープをまとわせれば野菜の味でスープがスケールアップ。ごはんに乗せてタンメン味の野菜炒め定食にしたくなります。
たっぷりの野菜を食べ進めると、姿を現したのはもっちり太い四角麺。麺をすすりモチモチした食感が歯で生まれるだけで顔がほころびます。それにしても、すごいボリュームです…が、旨いと満腹を忘れます。一気呵成に食べてごちそうさまでした。

こちらがバリエーション系の北海道シチュータンメン。圧倒的なコクを誇るスープが太麺に絡み、その味わいはまるで極上のスープパスタ。炒め野菜の甘みとクリーミーなスープが融合した、ここだけの未体験の美味しさです。
昭和から平成、そして令和へ。 時代に合わせて進化しながらも、どこか懐かしく、そして気前のいいボリューム感で街に愛され続ける『あぢとみ食堂』。この満足感はいつまでも不変であってほしいものです。
