【瓔珞/静岡県富士宮市】やきそば、カレーラーメン、サンマーメン

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ご当地グルメである、富士宮やきそばを出すお店の数は非常に多く、一軒一軒にそのお店ならではの特長がある。

駄菓子屋さんがスタンダードに鉄板で焼くやきそばであるのに対して、この瓔珞という中華料理店で出される焼きそばは、富士宮やきそばとしては、一味違った作りとなっている。 

昭和の香りが残るお店に入って注文したのは、焼きそばとカレーラーメン、そしてサンマーメン。

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ここの焼きそばは、中華料理店なので鉄板ではなく中華鍋で調理されたものが、お皿に盛られて運ばれてくる。なので、鉄板の上で調理され、そのまま口にする焼きそばと比べると、お皿に盛られた焼きそば自身の水分で蒸されるかのごとく、弾力の中にふわっと少し滑らかな食感を伝える作りになっている。

また、使われている具も、キャベツは入っているものの、ニンジンやモヤシなども使われており、スタンダードな富士宮焼きそばとは、ちょっと違った系統になっている。

そして、蒸し麺を延ばすために使っているのが水ではなく、ラーメンのスープなので、ソースが和えてあるものの、どちらかと言えば尖ったソースの味ではなく、スープが馴染んだ味わいが、弾力あるそばから広がっていき、そこにソースの味が足し算として加わるといった流れになる。

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カレーラーメンにも、カレーソースの下にスープが注がれている2重構造型、少し延ばされたカレーソースのみが入ったもの、スープがカレー仕立てのもという、3種類に分けることができるのだが、ここのは2重構造型。麺を器の下から引き伸ばすと、

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こんな具合に麺にしっかりとソースが絡む。この味はマニアックかつ正統派のB型料理。

ズルズルとすするうちに、カレーのしぶきが目立たないところにはねており、それでも食べ進んでしまうという、一種の魔力のようなものを持った味。辛さはあまりなく、ソースとスープのバランスもいい感じで、具の豚肉がカレーラーメンはこうあるべき的な、ジャンクっぽさも感じさせる。

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サンマーメンは、少し甘めに調理された野菜のあんかけが乗ったラーメンのこと。自分も町田にあった中華料理店で、食べたことがあったものの、よくよく考えると大人になってから口にするのはこれが初めて。

ということで、新鮮な気持ちで口にすると、片栗粉によって麺と強く絡んだあんかけの甘さが、野菜の瑞々しさと旨い具合に組み合わさり、不思議な感覚になる。また、あんかけのフタによって、麺の熱が逃げることがないので、一口一口がアツアツの状態で楽しめる。

食べ終わるまでに、入店から約2時間近くかかったものの、不思議なことに食べ終わると、気にならなくなるもので、その代わりに味に対する興味が沸いてくる。そんなお店である。

※残念ながら、2017年に閉店してしまいました。

【この記事を書いた人】

合同会社ソトヅケ代表社員/Local-Fooddesign代表

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