岩手県釜石市・青龍 旨い味噌チャンポンは朝が知っている。
釜石の方にこのお店について伺うと、
帰って来たのは「もちろん!食べたことある!」という声ばかり。
そして、必ずついてきたのが
「飲んだ締め食べる味噌チャンポン」という言葉。
お店に行ってメニューを見れば、「おすすめ」の文字が目を惹きます。
麺を覆うたっぷり野菜にイカ、そして溶き卵。
立ち上る湯気に乗って、白味噌の香りがテーブルを包み込みます。
釜石ラーメンのスタンダードスタイルは、
澄んだ琥珀色で具が少なめの薄化粧型。
それに対して、色々な具の個性を白味噌と卵が、
オーケストラを指揮するようにまとめている感じです。
スープを飲めば動物系の土台の上に、
具のエキスがしっかり溶けたやさしい味。
もちろんイカは逞しく野菜はシャキシャキ、
味噌チャンポンライスとしてご飯が欲しくなります。
麺を引き上げれば、そこは細麺の国・釜石。
すーっと細麺が姿を現しました。
具と卵をよく絡ませて啜れば、
熱さにむせつつも、スープの馴染んだ旨さが勢いよく入ってきます。
確かに、飲んだ後の締めにぴったりの味です。
半分ぐらいまで食べ進めたところで、
トッピングの辛味ペーストを投入。
混ぜてスープを飲めば辛さで酔いが、
麺を啜ると汗と共にアルコールが逃げていくのが分かります。
ただ、汗が止まらなくなるぐらいに効き目が絶大。
お店を後にする際には、寒さに気をつけなければなりません。
震災前は大町地区にあった「飲ん兵衛横丁」という飲み屋さん街付近の、
青葉通り沿いで営まれていたというこのお店。
被災してしまった後は、仮設店舗や移動販売による営業も考えたそうですが、
今の場所で営業を再開して約1年となりました。
締めの一杯が似合うお店には、
味噌の香りと笑い声のチャンポンがよく似合います。
そして、ホテルから見る翌朝の青空には、
美味しく楽しい時間の記憶が何より似合います。