【青森県八戸市/上舘せんべい店】焼き立てアツアツ、てんぽせんべいを囲む憩いの場
祝!八戸せんべい汁研究所!!
B−1グランプリin北九州ゴールドグランプリ受賞!!!
昨日の興奮冷めやらぬ八戸の町、当然一日中せんべい汁の話題で持ち切りだったそうです。
今日の夜9時に凱旋帰青した八戸せんべい汁研究所のメンバーを、多くの人が八戸駅で出迎えた光景は、町を愛し町に愛される町おこし活動たることを、証明していました。
これから、八戸せんべい汁が更に美味しくなるシーズン、特に夜になればみろく横丁や町の居酒屋さんなど、至るところで自慢の一杯が楽しめることでしょう。
で、そんな八戸の地でせんべい汁を堪能し、心もお腹も一杯になったある日の翌朝。本八戸の中心街から散歩がてらに足を伸ばした先には、いかに八戸がせんべいな町かを感じさせてくれるお店がありました。
一見、何かの事務所みたいな外観ですが、ドアの先にはソファー席や丸椅子席。そして店内は熱い香気に包まれています。
お店の名前は上舘せんべい店。朝市どころたる八戸において、一昨年まで鍛冶町の住宅街で開催されていた片町朝市の名物は、ここの焼き立てせんべいでした。
その特長は、厚焼きでもちもちした食感。小麦と塩だけで作られるこのせんべいの名は「てんぽせんべい」。餅せんべいとも呼ばれるだけあって、昔は腹持ちの良さで主食やおやつとして食べられていたそうです。
これを焼き上げる二枚型焼き機は、実はこのお店が発案したもの。ここから色々な煎餅店に普及したそうです。
さて、焼き立て熱々をいただきましょう。ドリンクと組み合わせれば、もう煎餅のモーニングセット。
手渡されたてんぽせんべいは、焼き立てのお餅のように手に粘り気が絡みかず持ちやすい一方、とびっきりアツアツなので、気をつけないと手から離れてしまうのでご注意を。
唯一無二のモチモチ食感は、子供の耳たぶのような…と何かに例えるのではなく、「てんぽせんべいのような…」と、逆になにかの例えに使われるようなもの。ストーブで温められていたコーヒーを飲みながら、手と口を経由してこの熱さを全身に送り込む。風が強い八戸の地で身体を温めるには、すばらしい組み合わせです。
ということで、もう1枚追加して今度はコーンポタージュに浸しながら。熱さに慣れた指先で、ポタージュの美味しさが絡む食感を楽しめば、やっぱり2枚食べて正解だったと嬉しくなります。
てんぽせんべいという名前の由来は、天保時代の天保銭。八戸せんべい汁研究所の木村事務局長も話されてますが、町おこし活動とはゴールのないもの。江戸時代の末期から続く八戸の食文化リレーは、おもてなしの心がバトンの一つであることに間違いありません。
天保銭から金の箸への系譜はきっと必然。人が輝く八戸の地に、更なる輝きが生まれたことを、青森に縁のある一人として、心から喜び申し上げます。