青森 東北 カレー ひるベスト!!!

【青森県弘前市】老舗の普通が一番すごい。『かわしま』がカレーライスで教えてくれること

投稿日:

かわしま−01

夏になればヤーヤドーの掛け声と共に、扇型のねぷたが練り歩く弘前・土手町。

一方通行の通りに立ち並ぶお店の顔ぶれは、10年前と比べて大きく様変わりしたものの、中土手町の『かわしま』は健在。額装されたこぎん刺しの作品が無数に飾られた店内を、地元の一人客からグループの旅行客まで一つになってカレーの香りで埋め尽くしていました。

1973年の創業時から変わらない製法で作り継がれる味に出会うのは2009年以来。「近い将来に訪れたい」なんて言ってながら、こんなに間隔が開くとは思いもよりませんでしたが、チーズフライカレーでお腹を満たした後、会計中に厨房で見かけた大鍋一杯の豚バラ肉を炒めていた姿。当時のそんな記憶だけは今日まで鮮明に残っていました。

弘前市・カレー&コーヒーかわしま チーズフライカレー(750円)とコーヒー
弘前のメインストリート・土手町は、食べ歩きをするにはうってつけの道。下土手町には居心地のいいカフェや中三百貨店が誇る味噌ラーメン「中みそ」がある。 一方、紀伊国屋がある交差点のほど近く、上土手町のエリアにあるのがこのお店。アーケードに描かれたカレー&コーヒーの文字が、妙に期待感を高めてくれる。 階段を上って店内に入ると、家族づれのお客さんやカップルのお客さん、あるいは仕事のエネルギーを充填しにきたお客さん。そんな色々な顔ぶれが、お店の空気感を無言で証明してくれる。 メニューを見ると、カレーライスのバリエーションがすごい。○○カレーものはもちろんのこと、カレースパゲティがあったり、カレー丼があったり。そんな豊富なラインナップから選んだのが、チーズフライカレー。 まずは、一口ソースを。困った…青森で食べたカレーの中で一番好きな味だ。インド料理店のカレーのように、スパイスの足し算による瞬発力を食べるというよりは、カレーソースの深くやさしいまろやかな味を食べるといった具合。うーん…止まらない。 ここに、チーズフライを加える。トロトロのチーズが切れ目から流れ出し、やさしい家庭味のカレーに僅かな塩加減とコクを加えてくれる。カツカレーのような固形揚げ物の場合、カツとかはソースと交わることなく終わるが、これはしっかりと具であり調味料になってくれる。 また、プレートの横に添えられたポテトサラダは、素材の味を前に出したつくりで、少し粒子感が残っているのがツボ。しっかりとジャガイモしているこの一品は、箸休めにはもってこいというのではなく、立派な副菜。 そして、福神漬を…といきたいところだが、個人的なオススメは紅ショウガ。このお店のカレーソースと相性バツグン。酸っぱい刺激がカレーのコクを一層引き出してくれる。津軽では、いなりずしに紅ショウガを入れて赤くするが、思うに、ごはんと紅しょうがの組み合わせというのは、津軽の王道なのかもしれない。 食後のコーヒーを口にしながら、次のオーダーに思いを馳せる。でも、近い将来なんてタイミングではなく、本当に近いうちにまた訪れたくなるお店だ。

かわしま−01

あれから約10年、あのカレーの正体はわからずじまい。そんな気持ちのままに目を惹いたのがハンバーグカレー。同行者のカレーライスと一緒に注文しました。

かわしま−01

まん丸のお皿のど真ん中にごはんが盛られ、そこからカレーソースがたっぷり注がれたアイランドスタイル。小さな山頂には香ばしく焼かれたハンバーグが鎮座し、茶色のグラデーションが食欲を掻き立てます。

で、その向かいに運ばれてきたカレーライス。その山頂に盛られていたのは、あの豚バラ肉でした。

かわしま−01

ホロホロに崩れる柔らかな赤身と、トロトロの脂身の甘さ。カレーの迫力と旨さの源には頬張った先に出会える楽しさがぎっしり。もちろん、創業当時から変わらないという付け合せの紅生姜との相性もよく、肉の旨さの切れ味を鋭くします。また、柔らかなハンバーグとソースとの相性の良さも発見! ひき肉のエキスがカレーソースをワンランクふくよかにしてくれます。

そんな具の存在感が強い一皿ですが、味の主役は何といってもたっぷりのソース。玉ねぎの甘さが溶け込みやさしい刺激を纏わせたコクが、お腹以上に心が満たされる身体にスーッと入ってきます。

かわしま−01

山頂の脇に裏山のように盛られた、たっぷりのマッシュポテトとキュウリとトマト。これも忘れちゃいけない存在。鮮やかな色が彩りを豊かにしてくれます。

何回でも食べたい!そして食べ飽きない。二回目のごちそうさまで感じたのは、町に住まう人の暮らしに欠かせない普通が持つ強さとたくましさ。老舗の普通はやっぱり只ならぬものでした。

  • この記事を書いた人

takapu

ローカルフードデザイナー/伝承料理研究家 食や旅をテーマにした商品開発や既成品リノベーションを始め、コンテンツ企画、取材・執筆・撮影、PRツール制作、漫画原作、講演、事業所の強みづくりコンサルティングを手がけています。 詳しいプロフィールはお仕事に関するお問い合わせは、下のリンクからお願いいたします。

-青森, 東北, カレー, ひるベスト!!!
-,

関連記事

Copyright© ひるどき日本ランチ日記 , 2018 All Rights Reserved.