
青森県庁のほど近く、路地裏にひっそりと佇む「三九鮨(さんきゅうずし)」。昭和50年の創業以来、40年以上にわたって地元客に愛され続ける名店です。
三方を海に囲まれた青森市には数多くの寿司店がありますが、帰省するたびに「まずはここへ」と足が向いてしまう魅力。それは、他では絶対に出会えない「規格外の巻物」と、ご主人の温かなおもてなしにあります。
職人のガイドで楽しむ「地魚の刺身盛り」

まずは刺身の盛り合わせから。陸奥湾産の新鮮な地魚を中心としたラインナップです。
三九鮨の名物は、ご主人が「ポケット魚図鑑」を片手に、一品ずつ丁寧に魚の解説をしてくれること。「この白身は弾力が強くて……」といった説明を聞きながら味わうと、一際美味しさが際立ちます。赤貝の鮮やかな色味、白身魚の繊細な甘み。青森の海の豊かさを五感で実感できる一皿です。
寿司屋の概念を覆す?絶品「揚げ物」2選

三九鮨を語る上で欠かせないのが、実は「揚げ物」の旨さです。
まずはごぼうの唐揚げ。青森県は生産量日本一のごぼう王国。サクサクの衣を噛めば、油と合わさったごぼうの甘みが口いっぱいに広がります。一度食べ始めると手が止まらない、中毒性の高い逸品です。

地元の常連客が「隠れた主役」と絶賛するのがこの手羽先。スパイシーすぎず、鶏本来の旨みが凝縮されており、「ここが手羽先専門店だったら何本注文していただろう」と思わせるほどの完成度です。
考えてみると、揚げ物が旨い鮨屋というのも珍しいのですが、逆に言えばそれは料理スキルの高さの裏返し。こうした一品料理のレベルの高さが、緊張せずに暖簾をくぐれる「町の名店」としての懐の深さを物語っています。
青森の細巻き二大巨頭:筋子巻きとトロサバ巻き

いよいよ真打ちの登場。三九鮨の名を全国に知らしめる「二大巨頭」を紹介します。
圧倒的な存在感!「筋子巻き」
運ばれてきた瞬間、誰もがそのビジュアルに驚くはず。シャリがどこにあるのか分からないほど、太くて色鮮やかな筋子がギッシリと巻かれています。 濃厚で塩気の効いた筋子は、一粒でおちょこ一杯の日本酒が消えるほどのパワー。5年前に訪れた時よりもボリュームが増しているように感じるほど、そのサービス精神には脱帽です。

脂の甘みがとろける「トロサバ巻き」
もう一つの主役が「トロサバ巻き」。口に入れた瞬間、鯖の濃厚な脂がさらりと溶け出します。 特筆すべきは、一緒に巻かれたガリの存在感。脂の旨みを引き立てつつ、後味を爽快に締めくくってくれます。この絶妙なバランスは、何皿でもいけてしまいそうな魔力があります。
青森の夜を彩る、唯一無二の寿司体験
普通の観光向け寿司店では決してお目にかかれない、迫力満点の巻物と職人の技。これらをリーズナブルに楽しめるのが三九鮨の真骨頂です。青森を訪れた際は、ぜひこの路地裏の名店で、筋子とサバの波に飲まれてみてはいかがでしょうか。

