【アンカーコーヒー マザーポート店/宮城県気仙沼市】一日の船出はグッドモーニングセットとともに。
旅先で過ごす、いつもと少し違う時間。だからこそ朝ごはんはしっかりと楽しみたいもの。
豊かな自然に囲まれた温泉宿やハイクラスのホテルで、地物素材しっかり&種類豊富なバイキングを食べたり、八戸のように陸奥湊駅前の市場にブラっと行って、刺身や汁ものなどを選んで、一汁三菜を自分でカスタマイズしたり。
冷蔵庫の中にあるものを探して食べる朝から、手に届く範囲の中から選んで食べる。数日前の同じ時間と違ったルーティンでお腹を満たす。これだけで一日のスタートが楽しくなりますよね。その一方で、朝の一店豪華主義という感じに特定のお店で決まったメニューを食べるのも醍醐味。
例えば、宮城県気仙沼市。夕食を福よし(2019年8月現在、区画整備事業により休業中)や、居酒屋いそやのように、夕食を魚づくしで楽しんだ翌朝。いつものパン×コーヒーを、ちょっと違うものにしたいなんて気分になったとき、足を運びたいお店は一つです。
目印は淹れたてのコーヒーの香りが立ち上る真っ赤なカップ。気仙沼で生まれ育った、街のアイコンのような珈琲店、アンカーコーヒー・マザーポート店。店頭に置かれた錨のオブジェが、ずっしりとこの地に根ざしていること、そして海の街のコーヒー文化にとっての母港であることを魅せてくれます。
広い窓から差し込む朝の柔らかな光を浴びながら座っているだけで、「あぁ、なんかいいなぁ」って気分になります。
そんなお店の朝食メニューが、グッドモーニングセット。トースト、鶏ハムサラダ、小鉢、ドリンク。いつもの朝と同じようで違う、そんな小さな差が大きな差。しかも全部のせにしたら、絶対にときめくじゃないですか。そうなりたかったんです。
大きなトレーの上に盛られた三角形のお皿に並ぶ、厚切りのトーストと鶏ハムサラダ、あとキャロットラペ。朝は彩度強めな野菜が目覚まし代わりになります。
大きなマグカップに入ったコーヒーを一口飲めば、スッキリ軽めの苦味で身体に芯が通り、「さぁ!トーストにしようか、鶏ハムにしようか」と楽しいひとときのはじまり。
鶏ハムを頬張ればしっとりなだらかな弾力と、ほんのり塩味で際立つエキスが染み出して、赤と黄色の刻みパプリカのみずみずしさや、フワッと軽く一振りされた胡椒と合わせれば、そのメリハリに心地よくなります。
で、トーストいきます。本日のジャムはマーマレードなんですが・・・これがとっても鮮烈!サクッと軽い歯ざわりからもちもちに変える食感の中で、華やかな柑橘の香りが咲き、すっきりと濃厚の2つの顔を持つ甘さが舌にさっと馴染んでくれます。あぁ・・・お会計のときにこのジャムを買えばよかった。
シャキシャキとしたひと噛みごとに、畑の残り香が余韻を刻むにんじんの香りがぐっとと広がるキャロットラペも、軽やかなクリームが注がれたコーヒーゼリーも。あぁ…いい気分です。
「来てよかったなぁ…」の食後感を空っぽになったプレートが映し、今日の心に芽生えたのは「さぁ!いこう!!」の気持ち。一日の船出に欲しいのは、やっぱりこの感覚です。