弘前市・チャイナドール 百貨店のフードコートと侮るなかれ。弘前市民の身体は、ここの味噌ラーメンでできているといっても過言じゃない。

22/06/2008青森,東北,ラーメン・ちゃんぽん,ひるベスト!!!

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弘前駅から10分ぐらい歩いたところに、土手町という目抜き通りがある。えらく昔から営業している和菓子屋さんがあれば、数年前にオープンした、まだ初々しい表情をした喫茶店もある。
そんな色々な顔を持ったお店が並ぶこの通りに、一軒だけ近未来的な外観のビルがある。その名を中三(なかさん)という百貨店は、大森でいうところのダイシン百貨店のような存在。
どちらも、「食」で有名になっているのだが、一つだけ違うのが、前者が食堂なのに対して、後者はフードコートだということ。そして、その主役となっているのが、チャイナドールというラーメン屋さん。
元々、(立佞武多で御馴染みの)五所川原市に創業した中三百貨店で、当時流行していた札幌の味噌ラーメンを売り出そうということから始まり、地元向けにアレンジされた五所川原スタイルの味は、試行錯誤が繰り返された末に今の弘前で提供される味へとたどり着く。
昭和46年に生まれたその味は、実に35回以上の春夏秋冬を経たことになる。
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昔から、この味に親しんでいるであろう方も、
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ここ数年、この味に親しんでいるであろうグループも、レジで味噌ラーメンを注文してから、プラスティック製の食券を握り締めて、番号が呼ばれるまでの時間が至福の時間。
好きな一杯だからこそ、中華鍋で野菜を炒めて、そこにスープを投入し味噌やニンニクで調味するおばちゃんの背中を、カウンター越しに見るのも大好きに違いない。その視線はきっと、台所に立つ親の背中を見るのと同じはずだ。
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自分の番号が呼ばれたら、アツアツの湯気を顔に当てながら席に運んで、あとはこの一杯に身を委ねることにしよう。
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強火でしっかりと炒めが入ったキャベツやモヤシは、スープでふにゃっとなることなく、シャキっとした歯ざわりから、瑞々しい野菜の旨み、ひき肉の旨み、そしてスープの旨みが一体になった味を生み出してくれる。
元々、これだけでも飲めてしまうほどに自然の甘みがたっぷりと染み出したスープに、これを更に際立てる砂糖、そして赤味噌の塩分が組み合わさることで、立体感のある深い味を生み出し、そこにニンニクのパンチのある香りが加わると、中毒性の高い味が出来上がりとなる。
これだけ、たっぷりの野菜とスープだけで幸せに浸ってしまうと、麺に至るまでに時間がかかってしまい、グダグダの麺になってしまいかねないが、ここは麺も固めにゆでられているので、心配ご無用。湯気と共に現れる麺はむしろ、スープをたっぷりと纏ってすごく旨くなっている。
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実は、何回も弘前に足を運んでいながら、このお店で食べるのは今回が初めて。願わくば、この味がヨソモノの自分にとっても、身体の一部になってくれればと思う。
そんなお店である。
※このお店の更に深い物語は、こちらに詳しく紹介されています。
さて、最近またもや更新頻度が落ちておりますが…実は7月1日までに、
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とある物を作らなければならず、完全にテンパっております。それまで、不定期更新になってしまいますが、よろしくお願いいたします。
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著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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Posted by takapu