【服部珈琲工房 シャミネ店/島根県松江市】いつもの朝も旅の朝も楽しくなるモーニングセット

28/09/2019島根,中国,カフェ/喫茶店,パン

服部珈琲工房 シャミネ店-01

※残念ですが、令和2年4月26日で閉店してしまいました。

松江駅で迎える朝の時間。停留所から待ち行列が伸びる駅前のバスターミナル。自分もそんな一人でしたが仕事先に向かうバスが来るのは30分後。

長いようで短いこの時間で空腹をどうして満たそうか……そんな思いで駅舎の外をぶらり歩いていると、目に飛び込んできたのがこの喫茶店・服部珈琲工房でした。

昭和56年に創業。個人経営のお店だったそうですが、現在では県内と鳥取に合わせて9店舗。山陰のコーヒー文化を代表するアイコンの一つです。

広い窓から差し込む柔らかい朝の光。木製の什器が囲む落ち着いた店内を照らし、朝食を楽しむ旅行客で賑わいつつも喧騒感はなく静かな賑わいに包まれていました。

朝7時からオープンしていることもあって、もちろんモーニングメニューはしっかりと。パンだけではなく朝粥も並ぶ充実の6種類。でも、その中にホットサンドの文字を見つけたら頼むしかありません。

ブレンドコーヒーと「ハムときゅうりの他に、タマゴかポテトを挟めます」という嬉しい二択からタマゴを選んで注文しました。

服部珈琲工房 シャミネ店-02

主役のコーヒーは銀色のポットに入ってサーブ。温められたカップに注げば蒸気とともに香りが膨らみます。深煎りの苦味とさっぱり軽やかが一つになった口当たり。

飲み込む瞬間まで舌の上に心地よさがスーッと泳ぎます。ゆっくり過ごしたい人は数回に分けて、自分みたいに急ぎ目の人はたっぷり注いで温度を落ち着かせる。好みの温度で色々な味の感じ方を楽しめるのが嬉しい点です。

ホットサンドは10枚切りのサンドイッチ用のパンを3枚使って、ハム・きゅうりの層とタマゴの層にくっきりと。

バウルーのように、中身をしっかり挟んで閉じ込めるタイプではなく、トーストしたパンでサンド。驚きだったのが思わず目が覚めるようなカリカリの食感。粗目・細か目の二段階に刻まれた卵、きゅうりのシャキシャキ食感、しっとり加減のハム。間にパンが一枚挟まるだけで具材の個性が際立つ味に仕立てられていました。

やさしい甘さのミルク寒天を食べながら目に入ってきた、隣のお客さんに届いた小倉トーストも気になる存在。朝は6回ちゃんと通いたくなる。地元の方は親しく頼もしい、そして自分のように旅で来た方には近しくなりたいお店。そんな旅ごはん、もう少しゆっくりと食べたかったのですがタイムアップ。慌ただしくお店を後にしました。

服部珈琲工房 シャミネ店-03

そんなお店のコーヒーを家でも淹れたいと思って、仕事が終わってから豆を買いに再び訪れると、店頭のイラストはモーニングメニューから、ドリアやピザといった軽食やパンケーキやロールケーキといったスイーツに模様替え。確かに、入口レジカウンターに並ぶケーキの数々は魅力的でした。

服部珈琲工房 シャミネ店-04

「ウチの店のブレンドはどちらも深煎り寄りなんですが」と、二種類のブレンドから香りのためのブレンドを200g。これで、バス待ちの慌ただしい時間で飲んだ味がゆっくりと楽しめそうです。

著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
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