わが家を出てから徒歩5分、
まるで出勤するかのような字面でたどり着いたのは、
緑色の看板が目を惹くこのお店。
前に八戸を訪れた際、とあるせんべい汁関係者に、
「ここのP.Mイカがいいんだよ!」と、ご紹介いただきつつ、
別のお店に行ってしまったという、ある種の縁があるお店なんです。
ガラガラと引き戸の音を立てて、
カウンターに座るとおねえさまが出迎えてくれます。
この日は10月にしては少し気温が高目。
なので、手渡されたおしぼりの温度に優しさを覚えたものです。
お通しは茄子のお浸しとイカの煮付け、やっぱり登場です。
味が少ししっかり目で、ササゲも入った豪華版、
これだけのボリュームでいただけると、
もうお通しという言葉は似合いません。
そして、念願だったP.M.イカ。
午後に捕れたばかりのイカを捌いたお刺身は、
色が違います、甘い香りが違います。
そして、菊が添えられているのも八戸スタイルです。
ワタとお醤油を混ぜたタレで食べれば、
しなやかな筋肉がコリッと音を奏で、
甘さがクリームのように溢れてきます。
ミミと身を交互に食べ比べると、食感や甘さの違いを感じ、
イカを食べる楽しさを再確認。
これぞ水揚げ日本一の醍醐味!といった感じです。
そして、こちらもお店の名物料理、南部せんべいのピザ。
ナガイモのすり下ろし、海苔の佃煮、そしてイカの塩辛。
呑ん兵衛にも旅先で「ならでは」ものが食べたい自分にも、
たまらないトッピングです。
パリパリの生地とフワフワの食感、そんな変化が楽しいナガイモ。
チーズのコクと磯の香りが力強い海苔の佃煮。
そして、日本酒を招くイカの塩辛。
これはもう、最高のトリオです。
お店を後にする頃には、
身も心もフワフワになっていたのですが、
この楽しさはまさに店名のごとく、八戸のおかげです。