青森県十和田市・桜の下で人が憩い、アートの下に人が集う。 その2
青空の下、そこに立つ誰もが雲の中に吸い込まれる。
“Arts Towada”、十和田市現代美術館を核とし、
官庁街通り全体を美術館に見立てて、アートでまちづくりをするプロジェクト。
通り沿いにはこの“Fat House”のように、見て楽しめるのはもちろんのこと、
触れたり中に入ったりできたりと、五感で楽しめる大型アートがたくさん展示されている。
車だってもこもこ。
そんな“Fat Car”の不思議なフォルムに、童心は釘づけの模様。
吸い寄せられるような世界、
作品を意識するよりは、そんな世界に身を任せよう。
草間彌生の「愛はとこしえ十和田でうたう」。
広場一杯に敷き詰められた水玉、
少女が身にまとう水玉の服、
そして水玉のかぼちゃやキノコ。
恒久展示物としては一番の面積とのこと。
ここから180度、視線を変えると美術館が俯瞰できる。
桜の緞帳の先に見える行列と笑顔。
を、見下ろす“Ghost”。
ちょっとした力で押すと、
今にもゴロゴロと転がり出しそうな
“Hypnotic Chamber”。
そんなアートの祝福を受けた官庁街通り、
とにかく歩いていて心地いい。
弘前の桜が、日本の桜まつりだとすれば、
十和田の桜は、市民の桜。
普段、隣、傍ら。
そんな感じの桜。
来年の桜の時期、
七戸十和田駅経由で来るお客さんで
この通りは賑わうに違いない。
でも、このどこかほのぼのとした居心地の良さは
変わってほしくない。