【まるなお/青森県青森市】心と身体が温まるちゃんぽんうどん。
去年の12月のこと。静寂に包まれた青森県立美術館の案内板に、「長期休館」のポスターがくっきりと浮かび上がっていました。9月から施設の天井補強工事を始めとしたリニューアルが施されていたのです。
そんな県美も、いよいよ明日から再オープン。白い静寂に包まれていたこの一帯に、人の訪れと共に新しい春がやってきます。
さて、そんな美術館を楽しんだ後に訪れたいのが、車で約10分ほどにある三内小学校通り。青森市内の中でも旨いもの偏差値が高い名店が並ぶエリアです。寿司屋や中華食堂などがひしめく中、お腹が呼んでいたのは、手打ちうどんの暖簾が目印のまるなお。
建物裏手の駐車スペースに車を停めて、ドアを開ければ座敷席もテーブル席もカウンター席もほぼ満席。家族連れにもお一人様にも愛されているお店です。
メニューをじっと眺める中で、やはり寒い時期には「温」の文字が心に染みます。
一方、裏返すとそこには鍋物類とごはん類。まだ雪が降り止まない時期だったので、なべ焼きうどんやうどん雑炊で身体を温めるのもいいなぁと。そんなメニューの中で気になったのは「ちゃんぽん」の文字。この日は、うどん×ちゃんぽんの組み合わせが、うどん雑炊の魅力を上回りました。
運ばれてきたのは大きな器。白菜やにんじん、タケノコといった野菜や、ピンクのなるとが目を惹きます。
とろみがかったおつゆに溶けこむ、香り豊かな優しいお出汁。一口飲めばあっという間に心に染み渡ります。そんな旨みの泉の中からうどんを引き上げズッとすすれば、滑らかな口当たりと適度な弾力の歯ざわりに微笑みが浮かびます。
野菜の歯ざわりや練り物の弾力を楽しみつつ、すする喜びを愉しめば、じんわりと汗も滴りますがここはアツアツ優先主義。気にしないでいきましょう。
全身に出汁が行き渡った身体になっているころには、もうお腹一杯。その美味しさに「次に来た時はどのメニューにしよう…?」と思ったら、それはもう、まるなおを極めるスタート地点に立ったということです。
リニューアルした県美で心を満たし、食でお腹を満たしたら、食後にはすぐ近くにある「出町温泉」で汗を流す。きっと、最高の一日です。