青森県弘前市・春の「しまや」で愉しむカツオとコゴミ、そして鶏の皮焼き。
自分にとって「弘前に桜を見に行くこと」と「しまやで春の味を愉しむ」ことは同義語。
例年この時期は混雑するのですが、この日もカウンター席は時間差の予約がいっぱい。そういう時は奥から詰めて座りますが、ほぼ真ん中の席で腰を落ち着けることに。
身欠きにしんの煮付けやイカの酢味噌和えといった、お馴染みの顔ぶれの横に並ぶ、色鮮やかなコゴミとボンナの姿。琺瑯バットは今日も季節を教えてくれます。
「カツオのいいのがあるけど食べる?」と、おかみさんに声をかけられたら、注文しないわけにはいきません。
モチモチの歯ざわりの中から、酸味をまとった旨味が顔を覗かせます。
ここからは小鉢の時間。
かすかな粘りと豊富な香りが溢れるコゴミの胡麻和え。春の訪れを告げる姫竹がたっぷり入った鶏肉と白滝の煮付け。そして、今回はツブ貝に変わってホタテが入った定番の凍み豆腐の煮付け。
いつだってこの美味しさに会えると笑顔になります。
そして、このお店にしてちょっと珍しい料理だったのが鶏の皮焼き。
濁りなくすっきりした脂は鮮度の証。ネギの爽やかな香りとともに頬張り終えると、すぐに次の串が恋しくなりますが、お店も混み合ってきたので今日は早めに切り上げることに。
ところで、この時期の風物詩と言えばトゲクリガニやシャコの二大巨頭。ですが、今年は「数が少なかった」とのことで会えずに終わってしまいました。まぁ、これはお楽しみが来年まで伸びたということで。