【お食事松月/山形県米沢市】『米澤牛肉ラーメン』というパワーワードの威力

09/05/2019山形,食堂,東北,ラーメン・ちゃんぽん,焼肉/焼鳥,よるどき

お食事松月の外観

初めて訪れた米沢市。駅前に店を構える『牛肉どまんなか』の調製元を見てテンションが上がったのは、駅弁開発を生業としている身としては仕方なし。もちろん頭の中も牛肉づくしになるものですが、もう一つ欠かせなかったのが米沢ラーメン。

鶏ガラと煮干しから取った出汁がベースのスープに、多加水の細縮れ麺を絡めた一杯は、米沢をラーメンの街として知らしめた存在。そうなれば、どちらも食べたい!と思うのは当たり前です。

そこで訪れたのが一軒の食堂・お食事松月。店頭に掲げられた『米澤牛肉ラーメン』のパワーワードは、足の動きを止めるのに十分すぎました。

お食事松月の内観

厨房と店内をつなぐ、暖簾には米沢牛の文字。

米沢牛購買証明書

壁に掲げられた米沢牛購買証明書が、十数分後の幸せを保証してくれます。

お食事松月のメニュー・その1

そんな食堂のメニューの筆頭は牛肉ラーメン。まさに横綱級の存在、もう「いいからこれを頼んどけって!」と強く説得されているかのようです。

お食事松月のメニュー・その2

でも、後ろには牛鍋定食や牛焼き肉定食の文字。もちろん、これも食べたいんです。でも、心に決めていたのはラーメン。ということで、米澤牛肉ラーメンと牛焼肉の単品を注文。

お食事松月の米澤牛肉ラーメンの書道

だって、牛骨スープなんですよ!!頼まなかったら一生の後悔ですよ!!!

お食事松月の菊の花の酢の物

そんなラーメンと焼肉が運ばれてくる前に、目を奪ったのは黄色と紫の鮮やかな一品。菊の花の酢の物のコリコリした食感が口をさっぱりさせて、香りとともにくっきり鮮やかな余韻を残します。紫色の『もってのほか』と黄色の(おそらく)『黄菊寿』とで、微妙な食感の違いがあるのも面白いところです。

お食事松月の牛焼肉

と、そこに運ばれてきたのが牛焼肉。焼肉屋さんの定食のようなスタイルかと思ったら、薄切りの大きなロースがどーんと豪快に!

とにかく柔らかいんです!で、噛むほどに甘い肉汁としっかりと口に残る脂のコクが滴ってくるんです。これはヤバいです、玉ねぎをくるっと巻いて頬張ると、シャキシャキの食感が更に肉の存在感を引き立てます。

“しまった、どうしてご飯を頼まなかったんだろう…”と思ったところに、米沢牛肉ラーメンがやってきました。

お食事松月の米澤牛肉ラーメン

黄金に輝く澄んだスープの下に泳ぐ縮れ麺の姿に、“早くすすりたい!”の欲求に掻き立てられます。

スープを飲めば、丸く柔らかでほのかに甘さを持つ牛骨の旨味と醤油タレの組み合わせに驚き、麺をすすればムニッと柔らか目の細縮れ麺には、スープの旨さがしっかり絡み、刺激やいたずらな味の濃さのない味が、口の中の温度とフィットすればしっかりと広がってくれます。

そして、こちらの牛肉チャーシューも食べごたえしっかり。赤身主体のコシのしっかりした旨さが、スープの甘さとの相性バツグンです。

あっという間に食べてしまったんですが、1枚残った牛焼肉をラーメンスープに浸して、グシュグシュと頬張ればもう…“ありがとう米沢!“と心が叫ぶんです。

次は牛焼肉定食に米沢牛肉ラーメンの組み合わせしかありません。このスープと焼肉を白いごはんに合わせた味を知らないなんて、それこそもってのほかですから。

著者プロフィール

takapu

ごはんフォトグラファー/Local-Fooddesign代表
食にまつわる各種コンテンツ制作(フォトグラファー、エディター、フードライター、インタビュー)、商品開発・リニューアル提案、PRツール・ロゴ制作などを手掛けます。
創業75年以上の老舗食堂を紹介するウェブサイト百年食堂の制作・運営もしています。
Local-Fooddesign